藤田岳彦

藤田岳彦：数学と競馬を愛する異才の数理学者

藤田岳彦氏は、1955年生まれの日本の著名な数学者、教育者であり、競馬を愛する馬主という異色の顔も持ち合わせています。中央大学理工学部教授、一橋大学名誉教授という肩書きを持ち、専門分野は確率論、力学系、金融工学、保険数理、数学教育と多岐にわたります。

学術的経歴

藤田氏は、灘中学校・高等学校を経て京都大学理学部を卒業。同大学大学院理学研究科数学専攻修士課程を修了後、京都大学理学部数学教室助手、京都大学教養部講師、カリフォルニア大学アーバイン校客員助教授、一橋大学商学部教授、京都大学数理解析研究所客員教授などを歴任しました。2011年からは中央大学理工学部教授を務める傍ら、一橋大学大学院国際企業戦略研究科客員教授も兼任。その間、パリ第6大学数学学部確率学科客員研究員も務め、国際的な研究活動も展開しています。

教育者としての貢献

藤田氏は、高等学校用、大学生用の数学教科書を執筆するなど、数学教育の分野でも大きな貢献をしています。また、数学オリンピック財団理事長を務め、若手数学者の育成や中高生の数学教育にも力を注いでいます。アクチュアリー養成にも携わるなど、その活動は多岐にわたります。

競馬への情熱

藤田氏は、2013年にJRAの個人馬主となり、新潟馬主協会、東京馬主協会、兵庫県馬主協会の会員となっています。勝負服は、熱烈な阪神タイガースファンであることから、黄と黒を基調とした「黄、黒山形一本輪、袖黒縦縞」のデザインを採用。所有馬には、ストキャスティーク（フランス語で「確率的」）、ウェルノウン（数学の論文でよく出てくるフレーズ）など、数学に関連したユニークな馬名を付けています。

一口馬主としても、グレープブランデー、ブラストワンピース、ソーダズリングなど、多数の競走馬に出資。ブラストワンピースが勝利した第63回有馬記念では、「出資馬ということもあって大もうけした」と語っています。

2018年には、グリーンチャンネルの『競馬場の達人』に出演し、最終レースは1番人気に賭けるのが最善の選択という「最終レースバイアス」など、数学的思考を応用した独自の馬券理論を披露し、プラス収支を達成しました。

多彩な趣味と連載

趣味は水泳、野球観戦、麻雀、競馬と多岐にわたります。週刊Gallopでは、「○○だけど馬主」のコーナーで不定期連載を担当し、競馬への情熱を発信しています。

藤田岳彦氏は、数学者、教育者、そして競馬を愛する馬主として、多彩な才能を発揮し、多くの人々に影響を与え続けています。

参考文献

中央大学理工学部
一橋大学国際企業戦略研究科

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