藤田恒郎

藤田恒郎

藤田恒郎（ふじた つねお、1934年5月31日 - ）は、日本の財務官僚であり、大蔵省（現財務省）で要職を歴任し、退官後は北海道銀行の頭取を務めた人物です。山口県に生まれ、山口大学教育学部附属防府中学校、山口県立防府高等学校を経て、東京大学法学部を卒業しました。

大蔵省入省から証券局長時代まで

1957年に東京大学を卒業後、大蔵省に入省し、管財局総務課に配属されました。その後、関東財務局理財部、名古屋国税局調査査察部、為替局総務課などを経て、福知山税務署長に就任。その後も国税庁、国際金融局で要職を歴任しました。

1972年からは外務省に出向し、ベルギー大使館に一等書記官、参事官として勤務。その後、大蔵省に戻り、銀行局特別金融課長、国際金融局短期資金課長、調査課長、総務課長を歴任しました。1982年には海外経済協力基金総務部長に就任。1984年、大蔵省大臣官房審議官（国際金融局担当）、翌年には同（証券局担当）と、国際金融と証券の両分野で手腕を発揮しました。1986年には日本銀行政策委員会大蔵省代表委員に就任。

1987年には大蔵省証券局長に就任。証券先物取引の導入、社債への規制、内部者取引規制（インサイダー取引）を柱とした改正証券取引法を成立させ、日本の証券市場の発展に大きく貢献しました。

北海道銀行頭取時代

1988年に大蔵省を退官後、海外経済協力基金理事を経て、1990年に北海道銀行副頭取、1992年には頭取に就任しました。頭取時代には、道銀と拓殖銀行との合併交渉という、北海道経済界を揺るがす大きな出来事に対応しました。2002年に頭取を辞任し、その後、同行特別参与となりました。

退任後の活動

2004年には社団法人札幌観光協会会長に就任し、札幌の観光振興に尽力。2008年には学校法人札幌学院大学理事長に就任し、教育分野にも貢献しました。2014年に同理事長を退任。

この他、北海道スカイスポーツ協会会長や、さっぽろ雪まつり実行委員会会長なども務め、多岐にわたる分野で活躍しました。

人物像

藤田氏は、大蔵省時代には国際金融や証券市場の専門家として、また北海道銀行頭取時代には経営者として、その手腕を発揮しました。また、退任後も札幌の観光や教育に貢献するなど、社会貢献活動にも熱心でした。

大蔵省の同期には、保田博（大蔵次官、主計局長）、的場順三、森田一、大山綱明（関税局長）、足立和基（理財局長）、加登住道（熊本ファミリー銀行頭取）などがいます。

著書

『新外為法の実務』（編者、大蔵財務協会、1981年）
『東京外国為替市場（新金融シリーズ21世紀への挑戦）』（編著、金融財政事情研究会、1987年）

藤田恒郎は、日本の金融界において重要な役割を果たした人物であり、その功績は多方面にわたります。

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