藤野岩友

藤野岩友（ふじの いわとも）

生年と背景
藤野岩友は1898年11月14日に香川県高松市中新町で生まれました。彼の学問の道は、1917年に日本中学校を卒業し、1918年には國學院大學予科に進学することで始まりました。1922年、國學院大學国文科を卒業した後も、さらなる学びを求めて大東文化学院高等科に入学し、1927年に卒業したことで彼の学問に対する情熱が伺えます。

教授キャリア
藤野岩友は1942年に國學院大學の教授に就任し、文学の教鞭を取る傍ら、研究にも精力的に取り組みました。1950年には「巫系文学小考―楚辞を中心として―」という論文で文学博士の学位を取得し、彼の専門分野である古典中国文学において、その成果が認められました。さらに1971年には折口博士記念古代研究所所長を務め、その後1980年には名誉教授として國學院大學を代表する存在となりました。

研究の業績
藤野は古典中国文学、特に楚辞に関する研究で広く知られています。主著としては『巫系文学論』や『中国の文学と礼俗』があり、これらの著作は彼の研究成果を示す重要な文献です。また、彼は漢文学者としても名を馳せ、『角川漢和中辞典』や漢文教科書の編纂にも貢献しました。このように、古典中国文学の研究と教育の両面で多大な影響を与えました。

著作物
藤野岩友の主要な著作物には、以下のものがあります：

• - 『巫系文学論』（大学書房、1951年、増補版1969年）
• - 『漢文学習叢書 漢詩』（旺文社、1957年）
• - 『楚辭』「漢詩大系3」（集英社、1967年、新装版「漢詩選3」1996年）
• - 『五雑俎』（明徳出版社「中国古典新書」、1972年、再版1993年）
• - 『中国の文学と礼俗』（角川書店、1976年）
• - 編著『中国文学小事典』（高文堂出版社、1982年）

これらの著作は、彼の研究成果を広く一般に伝える役割を果たし、多くの読者に深い洞察をもたらしています。

私生活
藤野岩友の息子である藤野一友は、幻想画家としても知られており、別名義で中川彩子という名でも活動しています。芸術の分野でも彼の家族が活躍していることを示しています。

晩年と死
藤野岩友は1984年5月28日に胃癌で亡くなりました。86歳の生涯にわたり、彼は古典中国文学の重要な研究者として知られ、多くの人々に影響を与え続けました。彼の業績は、今もなお研究者や学生にとっての貴重な資源であり、学問の世界における彼の足跡は決して消えることはありません。

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