藤野恵実

愛知県豊橋市出身の藤野恵実は、1980年11月17日生まれの日本の女性総合格闘家です。JAPAN TOP TEAMに所属し、ブラジリアン柔術においては紫帯を取得しています。彼女のキャリアは多岐にわたり、元ストロー級クィーン・オブ・パンクラシストとして名を馳せ、現在は修斗世界女子ストロー級王者としてその地位を確立しています。

キャリアの幕開けと試練

藤野の格闘技キャリアは2003年に始まり、GFCでのグラップリングやSMACKGIRLでの試合を経験します。アマチュアながら一本勝ちや判定勝利を収め、SMACKGIRL-F5では大会MVPを獲得するなど、頭角を現しました。

2004年にはプロ総合格闘家として正式にデビューし、連勝を飾る順調なスタートを切ります。しかし、その矢先に交通事故に遭い、選手生命も危ぶまれるほどの重傷を負ってしまいます。このアクシデントにより、彼女は2年半もの長いリハビリ期間を強いられることとなりました。

困難からの復活と挑戦

逆境を乗り越え、藤野は2006年11月にスマックガールで待望の復帰を果たします。復帰戦を勝利で飾り、その後も連勝街道を突き進み、デビューからの通算成績を8連勝としました。しかし、2008年7月には藪下めぐみに敗れ、連勝記録がストップします。同年11月のVALKYRIE旗揚げ戦でも敗戦を喫するなど、壁に直面します。

総合格闘技だけでなく、藤野はそのキャリアの中で様々なジャンルへの挑戦も行っています。2009年にはプロレスデビューを果たし、アイスリボンのリングに上がりました。また、同年にはシュートボクシングにも参戦しますが、RENA戦で鼻骨を骨折しTKO負けを喫するなど、他競技の厳しさも経験しています。2010年にはキックボクシングにも挑戦しました。

国内外の強豪との激闘

VALKYRIEや戦極といった舞台で経験を積み重ねた後、彼女は国内主要団体や海外のリングでもタイトルを目指します。2012年にはJEWELSライト級タイトルマッチで浜崎朱加と対戦。その後もDEEP JEWELS、さらにはアメリカのWSOFといった団体で、魅津希やジェシカ・アギラーといった強豪とのタイトルマッチに挑みますが、惜しくもベルト獲得には至りませんでした。

パンクラスへの参戦は彼女のキャリアにおける重要な転機の一つとなります。2018年のタイトル決定戦ではヴィヴィアニ・アロージョに敗れますが、2019年には暫定王者決定トーナメントを勝ち抜き、暫定王座を獲得。その後、ヴィヴィアニ・アロージョの王座返上により、第3代ストロー級クィーン・オブ・パンクラシストに昇格し、ついに頂点に立ちました。しかし、2022年の防衛戦で王座を失います。

修斗での新たな栄光

パンクラス王座陥落後、藤野は新たな主戦場として修斗を選びます。2023年には女子ストロー級のインフィニティリーグに参戦。エンゼル☆志穂、宝珠山桃花、杉本恵、吉成はるかといった選手たちとのリーグ戦を戦い抜き、2024年1月にはリーグ優勝を飾りました。

そして迎えた2024年5月、初代修斗女子ストロー級王者を決める一戦で杉本恵と再び対戦。この試合をTKO勝利で制し、見事、修斗のベルトを獲得しました。長年にわたり国内外のトップレベルで戦い続けてきた藤野恵実は、パンクラスに続き修斗でも頂点に立ち、その実力と不屈の精神を証明し続けています。

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