藪原宿
中山道 藪原宿
藪原宿は、中山道六十九次のうち35番目の宿場として、長野県木曽郡木祖村に位置しています。この地は、かつて中山道を行き交う旅人たちで賑わい、宿場町としての歴史を色濃く残しています。
歴史
宿場町の隆盛
天保14年（1843年）の記録によると、藪原宿には266軒の家があり、本陣1軒、脇本陣1軒、旅籠10軒、そして1493人の人々が暮らしていました。この数字からも、当時の藪原宿が重要な宿場町であったことが伺えます。
お六櫛の誕生と発展
藪原宿の名を広めたものの一つに、お六櫛があります。妻籠宿のお六という老婆が始めた櫛屋が評判となり、その質の高さから、藪原は櫛の生産地として知られるようになりました。お六櫛は現在も生産が続けられ、長野県知事指定の伝統工芸品となっています。
湯川酒造の歴史
慶安3年（1650年）創業の湯川酒造は、長野県で2番目に古い酒蔵として知られています。江戸時代初期から、木曽路を行き来する旅人に親しまれてきました。その長い歴史の中で、多くの人に愛されてきた銘酒は、今もなお藪原の地で造り続けられています。
尾張藩鷹匠役所
元禄6年（1693年）まで須原宿と妻籠宿に設置されていた尾張藩の鷹匠役所は、享保15年（1730年）に藪原宿へ移されました。毎年旧暦5月には、尾張藩から鷹匠役人が訪れ、捕獲した仔鷹をこの地で飼育していました。鷹匠役所は、明治4年（1871年）に廃止されましたが、その跡地は今も残っており、当時の様子を偲ぶことができます。
現在の藪原宿
鉄道による寸断
宿場北部の中山道は、鉄道によって寸断されていますが、宿場町としての雰囲気は今もなお残っており、歴史的な建造物や史跡が点在しています。
観光の見どころ
- - 尾張藩鷹匠役所跡：かつて鷹匠たちが活動していた場所で、歴史を感じることができます。
- - 飛騨街道と権兵衛街道の分岐点：交通の要所であったことを示す場所です。
- - 本陣跡：宿場町における中心的な場所であった本陣の跡地です。
- - 宮川家史料館（宮川漆器店）：漆器店としてだけでなく、歴史的な資料も展示されています。
- - 防火高塀跡：宿場町を守るために作られた防火壁の跡地です。
- - お六櫛問屋篠原商店：お六櫛の歴史と伝統を今に伝える商店です。
- - 高札場跡：幕府や藩からの法令などを掲示した場所です。
- - 一里塚跡：街道の距離を示すために設置された塚の跡地です。
- - 藪原祭り（藪原神社例大祭）：地域の伝統的な祭りです。
アクセス
最寄り駅はJR東海中央本線 藪原駅です。公共交通機関を利用して訪れることができます。
周辺の宿場町
中山道沿いには、藪原宿の他にも多くの宿場町が存在します。近隣には、奈良井宿、宮ノ越宿などがあり、それぞれの宿場町が持つ歴史や文化に触れることができます。
木曽路十一宿
木曽路には、以下の11の宿場町があります。
これらの宿場町はそれぞれ特徴があり、合わせて訪れることで、より中山道の歴史と文化を深く理解することができます。
参考文献
外部リンク
藪原宿は、歴史と文化が息づく魅力的な場所です。ぜひ一度訪れて、その魅力を体験してください。
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