虎杖浜駅

北海道白老郡白老町に所在する、北海道旅客鉄道（JR北海道）室蘭本線の駅、虎杖浜駅（こじょうはまえき）。駅番号はH27が付与されています。

その歴史は昭和初期の1928年8月5日に遡ります。当時は鉄道省の駅として開設され、旅客だけでなく貨物や荷物の取り扱いも行う一般駅でした。しかし、時代の変遷と共に役割が変化し、1960年8月1日には貨物取扱が廃止されました。さらに、1980年5月15日には荷物取扱も終了し、同時に駅は無人化され、簡易委託による業務形態となりました。駅舎については、1981年1月に改築が行われています。国鉄の分割民営化に伴い、1987年4月1日からはJR北海道の運営する駅となりました。

駅名である『虎杖浜』という地名は、アイヌ語に由来しています。かつてこの地域は『クッタルシ（kuttar-us-i）』と呼ばれていました。これは『イタドリ』が『群生する』『ところ』を意味する言葉です。この『クッタルシ』が『クッタラシ』と転訛し、後に日本語に訳されて『虎杖浜』という駅名、そして地域の名称として定着したとされています。

虎杖浜駅は地上に設けられた駅構造を持っています。ホームは上下線それぞれに設けられた相対式ホームが2面あり、合計2線の線路が敷かれています。これらのホームは線路を挟んで互いに向き合う形ですが、駅構内で上下線ホームが若干ずれた配置となっています。ホーム間の移動は跨線橋を利用して行います。現在、駅は無人駅となっており、窓口業務などは行われていません。駅舎は、主に札幌方面へ向かう上り線ホーム側に設置されています。

駅の周囲には、国道36号線が近くを通っており、交通の便も比較的良好です。地域の行政サービスとしては、白老町役場の虎杖浜出張所があります。また、安全を守る施設として苫小牧警察署の虎杖浜駐在所も設けられています。郵便サービスは虎杖浜郵便局で、金融機関としては室蘭信用金庫の虎杖浜支店が利用できます。地域経済に関わる施設として、いぶり中央漁業協同組合の本所も存在します。

この地域の最大の特長は、何といっても『虎杖浜温泉』の存在です。駅周辺には温泉街が広がり、虎杖浜温泉ホテルをはじめとする宿泊施設が点在し、観光客や地元住民に親しまれています。公共交通機関としては、駅前に道南バスの『虎杖浜駅前』停留所があり、周辺地域への移動手段を提供しています。

JR北海道室蘭本線における当駅の隣接駅は、東室蘭方面（H26）が竹浦駅、苫小牧方面（H28）が登別駅となります。

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