蚕糸の森公園

蚕糸の森公園：歴史と自然が調和する杉並区のオアシス

蚕糸の森公園は、東京都杉並区にある区立公園です。その名の通り、かつてこの地にあった農林水産省蚕糸試験場の跡地を利用して整備されました。公園は青梅街道沿いに位置し、区内東部を南北に走る環状七号線のすぐ東側に広がっています。広大な27,146平方メートルの敷地は、地域住民にとって貴重な憩いの場となっています。

公園と学校の一体化

蚕糸の森公園の大きな特徴は、隣接する杉並区立杉並第十小学校との連携です。公園と小学校の校庭は共用化されており、地域に開かれた学校として、また、地域住民に小学校への理解を深めてもらうことを目指した公園・校庭一体化計画が採用されました。これにより、子どもたちは広々とした空間で遊んだり学んだりすることができ、地域住民も気軽に学校の雰囲気に触れることができます。

蚕糸試験場の歴史を継承

この公園は、もともと農林水産省の蚕糸試験場があった場所に作られました。1980年に蚕糸試験場が茨城県つくば市に移転した後、1986年にその跡地が公園と小学校として再整備されました。公園の名称は、かつての蚕糸試験場に由来しており、現在も煉瓦造りの旧試験場正門が残されています。この正門は、公園の歴史を物語る貴重な遺構となっています。

防災公園としての役割

杉並区内には防災公園が少ないため、蚕糸の森公園は防災拠点としての役割も担っています。関東大震災級の災害が発生した際には、徒歩で光が丘まで避難する必要があったことから、都市計画家の高山英華の提言により、防災公園を設置することが計画されました。公園内には、放水砲、樹木スプリンクラー、ゲートシャワー、応急給水設備、備蓄庫、自家発電装置などの防災設備が配備されています。また、火災発生時には、池や貯水槽、屋内地下プールの水を消火用水として使用できる設計が採用されており、公園内の樹木は火災延焼を防ぐ防火樹林として植樹されています。

公園の施設

蚕糸の森公園には、様々な施設があります。

遊具広場： 子どもたちが楽しめる遊具が設置されています。
滝の広場： 涼しげな滝が流れ、 visitors を癒やします。
* 運動広場： 広々としたスペースで、スポーツやレクリエーションを楽しむことができます。

杉並第十小学校の屋内地下プールも一般開放されており、地域住民が利用できます。ただし、小学校の水泳の授業がある時は利用できません。また、杉並第十小学校が授業で校庭を使用する時は、校庭の一般利用は不可となります。

その他の情報

蚕糸の森公園では、不定期でフリーマーケットが開催されます。また、かつて近隣にプロダクション人力舎の養成所・スクールJCAがあり、東京03など同校出身のお笑い芸人が昔ネタ合わせをした思い出の場所として紹介することがあります。三四郎のコンビ名の由来にもなっているそうです。

AV撮影問題

公園周辺にはアダルトビデオ販売大手のソフト・オン・デマンド（SOD）本社や、「セクシービデオのメッカ」と呼ばれるスタジオがあり、AVのロケ地として使用されることがあります。小児性愛をテーマにしたアダルトビデオが杉並第十小学校の正門近くでも撮影されていることから問題視されており、杉並区や管理事務所には無許可で行われているという問題も発生しています。

アクセス

蚕糸の森公園へは、東京メトロ丸ノ内線・東高円寺駅1番出入口からすぐです。公園は常時開園しており、いつでも訪れることができます。

まとめ

蚕糸の森公園は、蚕糸試験場の歴史を継承しつつ、地域住民の憩いの場、そして防災拠点としての役割を担う、多機能な公園です。杉並区を訪れた際には、ぜひ立ち寄ってみてください。

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