蛇喰古墳

蛇喰古墳について

蛇喰古墳（じゃばみこふん）は、茨城県牛久市神谷2丁目に所在する、古墳時代後期に築かれた前方後円墳です。この古墳は、市内に存在する古墳の中で最も大きく、その全長は約45メートルに達しています。蛇喰古墳を含む牛久市内には、当時の集落跡とみられる99ヶ所の遺跡が確認されており、地元の歴史を物語る重要な存在となっています。

牛久市内の古墳と集落群

牛久市には、かつて100基を超える古墳が存在していたとされますが、現在残っているのは24ヶ所に51基です。これらの古墳のほとんどは円墳であり、特に古墳時代集落群の首長墓と位置づけられている前方後円墳は神谷の蛇喰古墳、城中の明神塚古墳、奥原の獅子見塚古墳の3ヶ所です。このことから、牛久市内は古墳時代における重要な中心地であったことを示しています。

蛇喰古墳の特徴

蛇喰古墳は、主に首長の墓とされ、牛久沼と小野川に挟まれたエリアの古墳時代集落の中心的な存在でした。埴輪などの副葬品は見つかっていないものの、それ自体が古墳時代の重要な歴史的な遺物であると考えられています。また、築かれた時期は古墳時代後期であると推測されています。

貝塚台古墳との関係

この蛇喰古墳の南側には、200メートル離れた位置に貝塚台古墳があり、両者はかつて一つの古墳群を形成していたと考えられています。貝塚台古墳からは、地下60センチの深さで箱式石棺が発見されたことで注目を集めました。この石棺からは、子供の人骨2体や直刀5振、耳環1対が見つかり、古墳に埋葬された人々の生活や文化を知る貴重な証拠となっています。

墳頂の稲荷社

蛇喰古墳は「肌背塚」または「赤裸塚」とも呼ばれており、その後円部には稲荷社が建立されています。この稲荷社は、地元の神谷傳兵衛が自らの故郷である愛知県の豊川稲荷を祀ったもので、社殿は名物の赤レンガで建てられています。銘が刻まれた石の鳥居には1902年（明治35年）という年号が確認されており、さまざまな歴史的背景を持つ場所となっています。

結論

蛇喰古墳は、古墳時代の重要な遺物であり、地域の歴史を理解する上で欠かせない存在です。周囲の古墳群と合わせて、古代の人々の生活文化や葬送習慣を探る手がかりとして、多くの研究者や歴史愛好者にとって魅力的な場所となっています。今後もその文化的価値を認識し、保存されることが望まれます。

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