蛍 (鬼束ちひろの曲)

鬼束ちひろのシングル『蛍』について



『蛍』（ほたる）は、鬼束ちひろの14枚目となるシングルであり、2008年8月6日にリリースされました。この曲は、鬼束自身が作詞・作曲を手掛け、坂本昌之が編曲・音楽プロデュースを行っています。驚くことに、このシングルの発売と同日には、鬼束ちひろの復帰後初の単独公演を収録したライブDVD『NINE DIRTS AND SNOW WHITE FLICKERS』も発売されました。

発売時には、初回プレス盤に特典として、予定されていたコンサートツアー『CHIHIRO ONITSUKA CONCERT TOUR 2008 "VEGAS CODE"』の抽選先行予約IDが付属し、さらに前述のDVDとの連動応募キャンペーンの応募券も同梱されていました。また、各店舗ではポスターやポストカードなどの購入特典が配布され、多くのファンを魅了しました。CDのリリースに先駆けて、7月9日からは着うたフルやデジタルダウンロードの先行配信も行われ、多くのリスナーの耳に届けられました。

楽曲について



シングル収録曲『蛍』は、映画『ラストゲーム 最後の早慶戦』の主題歌としても知られています。曲調は、ピアノとストリングスを基盤にしたバラードとなっており、鬼束自身によると、楽曲は2007年3月に書かれ、レコーディングは翌年1月に行われたといいます。歌詞の執筆にあたっては「美」をテーマに、あえて小説のように書き上げたことを明かしています。興味深いことに、鬼束自身は実際に蛍を見たことがなく、その名前を「儚さ」の象徴として選んだことも伺えます。

映画の主題歌とのタイアップは楽曲が完成した後に決定されたものの、鬼束は当初からこの曲が映画に合うと思っていたようです。しかし、映画のテーマ自体が壮大で、「自分が主題歌になるのはふさわしいのか」と不安に思っていたこともあったと語っています。映画の監督である神山征二郎は、制作発表の際に「主題歌にこんな名曲を頂く経験は初めて」とコメントし、曲の素晴らしさを称賛しています。また、試写会では主演の渡辺大がこの曲を初めて聴いた際に涙したと語り、映画公式ブログでも「この曲を着うたに設定している」との感想が寄せられました。

もう一曲の収録曲『HIDE AND SCREAM』はアコースティックギターを基にした楽曲で、同じく鬼束ちひろが作詞・作曲を手掛けています。こちらの曲は2008年2月に完成され、本作のカップリング用に制作されました。構想はそれ以前からあり、子供向けの番組に適した楽曲を意識して作ったとされています。

収録されているアルバム



『蛍』は、以下のアルバムにも収められています。

『HIDE AND SCREAM』も同様に、いくつかのベストアルバムに収録されています。

最後に



この『蛍』は、鬼束ちひろが新たな音楽の方向性を示す重要なシングルとなりました。彼女の情感豊かな歌声と、心に響く歌詞が印象的です。音楽ファンならずとも、多くの人に愛され続けることでしょう。

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