蜂須賀玄寅

蜂須賀玄寅の生涯

蜂須賀玄寅（はちすか はるとら）は、江戸時代初期に活躍した武士で、阿波徳島藩の家老として知られています。彼は慶長12年（1607年）、播磨姫路藩の家老・池田由之の子として姫路に生まれました。母は蜂須賀家政の長女である即心院です。玄寅は後に功績を重ね、名を池田玄寅として知られるようになります。

家老としての道

寛永3年（1626年）に、彼の外祖父である蜂須賀家政に招かれ、阿波徳島藩主の蜂須賀忠英に仕官します。初めは池田内膳由英と名乗っていましたが、後に蜂須賀姓を授けられ、蜂須賀山城玄寅という名に改めました。彼は藩主を補佐する家老として、非常に重要な役割を果たしました。

寛永5年（1628年）には知行5000石を賜り、その後の寛永14年（1637年）には、島原の乱が発生します。この際、玄寅は藩船の運用計画を藩主に進言し、その提案は江戸幕府の3代将軍・徳川家光の耳にも届き、大いに評価されました。乱が終息した後、寛永15年（1638年）には5000石の加増を受け、地位をさらに確固たるものとしました。

家族と宗族

寛永19年（1642年）、彼は藩主忠英の四男・興龍を養子に迎え、万治元年（1658年）には家督を譲ることを決心しました。その後、彼は京への隠遁生活を選び、斉藤不白と名を改め、穏やかな生活を送りました。また、承応3年（1654年）には実子の正長が誕生しており、後に正長には三尾氏を名乗らせることになります。

延宝2年（1674年）10月10日、玄寅は京都でこの世を去りました。享年68歳で、法号は浄厳院殿不白玄雪大居士が贈られ、南禅寺塔頭慈氏院に埋葬されました。

玄寅の後継者

興龍は後に蜂須賀宗家を継ぐことになり、徳島藩の藩主となることから、興龍は池田家と離縁し、家系に戻りました。これに対し、玄寅の血筋である蜂須賀山城家は、正長の子孫によって継承されることとなります。

彼の妻は近江三井寺山内円満院坊官の西坊胤清の娘であり、彼女も近江の出身でありました。妻は宝永4年（1707年）に亡くなり、法号は芳林院殿真空妙心大姉と称されています。彼女の葬儀は近江の錦織屋敷で行われ、その後に大津新光寺に移葬されています。

系譜

玄寅の家系は、以下のように続いていきます。

• - 池田恒利
• - 池田信輝（恒興）
• - 池田之助（元助）
• - 池田由之
• - 池田玄寅
• - 池田興龍（鎮辰）
• - 正長
• - 長亮
• - 長甫
• - 長好
• - 長旨
• - 長教
• - 長興
• - 昭訓
• - 昌豊
• - 登藤太郎

玄寅の生涯は、家族との関係や武士としての誇りが色濃く映し出されており、彼の影響はその後の歴史にも深く刻まれています。

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