蜂須賀至央

蜂須賀至央（はちすか よしひさ）

蜂須賀至央は、阿波国徳島藩の第9代藩主です。元々は高松藩の御一家である松平大膳家の出身でした。

生涯

高松藩一門、松平頼煕の三男として生まれました。母は渡辺氏です。異母兄である松平頼珍（後の蜂須賀宗鎮）が徳島藩蜂須賀家に養子入りしたため、元文4年（1739年）に大膳家の家督を幼くして相続し、頼央と名乗りました。

宝暦4年（1754年）4月2日、藩主松平頼恭の養弟となり、その後、蜂須賀宗鎮の養子となって至央と改名しました。「至」の字は、初代藩主である蜂須賀至鎮から一字取ったものと考えられています。松平大膳家の家督は、松平頼恭の五男である頼昌が継承しました。同年4月13日、第9代将軍徳川家重に拝謁し、5月22日には宗鎮の隠居により蜂須賀家の家督を相続しました。しかし、同年7月12日に19歳という若さで死去しました。法号は興徳院殿仁祐竜沢。墓所は徳島県徳島市下助任町の興源寺にあります。

至央は襲封後わずか2ヶ月足らずで死去したため、歴代藩主の通例である将軍からの偏諱を受けることはありませんでした。当時の徳島藩では、養子や幼い藩主が相次いでおり、至央自身も若年であったことから、藩政の実権は家老衆に握られ、藩主は名目的な存在に過ぎませんでした。

至央の急死を受け、出羽国久保田藩の分家である秋田新田藩主、佐竹義道の四男であった重喜が末期養子として迎えられました。

系譜

養子
蜂須賀重喜（1738年 - 1801年） - 佐竹義道の四男
女子：宗子 - 醍醐輝弘正室、蜂須賀休光の娘（甥）

参考文献

『蜂須賀家記』

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