蟻ケ崎

蟻ケ崎の概要

蟻ケ崎（ありがさき）は、長野県松本市の市街地北西に位置する地区です。行政地名としては、住居表示が実施済みの蟻ケ崎1丁目から6丁目と、未実施の大字蟻ケ崎があります。郵便番号は390-0861です。

この地区は、松本市内でも有数の住宅地として知られていますが、その一方で、歴史的な側面も持ち合わせています。特に4丁目には、その特異な生涯から「東洋のマタ・ハリ」とも呼ばれた川島芳子の墓がある正鱗寺が存在します。

こまくさ道路沿いには商店も見られますが、住宅が中心の落ち着いた地域です。3丁目には大規模な県営住宅が設けられています。地形的には城山の東側裾野にあたり、坂道が多いのが特徴です。大門沢川が東側の沢村との境界を形成しており、こまくさ道路が地区の中央を横断しています。このこまくさ道路は、朝夕のラッシュ時には2丁目から松本駅にかけての区間で渋滞が発生することがあります。

大字蟻ケ崎には、アルプス公園と城山公園という二つの大きな公園があります。これらの公園は、雑木林が中心ですが、住宅も点在しています。城山（鳥居山）の山頂から東側の裾野にかけて広がる地域で、全体的に傾斜が急です。この地域からは松本市内を一望できる絶好のロケーションを誇ります。

歴史

江戸時代初期には、現在の城山公園やアルプス公園にあたる地域は、松本藩主戸田松平家の御留場として立ち入りが禁止されていました。しかし、中期になると一部が解禁され、桜や楓などが植えられて整備され、町民の憩いの場となりました。これが現在の城山公園の起源となります。一方、アルプス公園の部分の解禁は明治維新後まで待つことになります。

江戸時代には、周辺地域とともに蟻ヶ崎村を構成していました。蟻ヶ崎村は、真言宗の古刹である放光寺があったことから、放光寺村とも呼ばれていました。

1967年7月1日には、1丁目から6丁目にかけて住居表示が実施されました。住居表示の実施に伴い、以下の地区が分離しました。

1990年（平成2年）：蟻ケ崎台
1991年（平成3年）：城山

施設

蟻ケ崎地区には、以下の施設があります。

長野県松本深志高等学校
長野県松本蟻ヶ崎高等学校
塩釜神社
松本市中央図書館
正鱗寺
松本市営蟻ケ崎霊園・火葬場
松本蟻ケ崎郵便局
アルプス公園
* 城山公園



蟻ケ崎は、住宅地としての静けさと、歴史と自然が調和した魅力的な地域です。これらの施設が地域住民の生活を豊かにしています。

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