衆議院議員ニシテ大東亜戦争ニ際シ召集中ナルニ因リ其ノ職ヲ失ヒタルモノノ補闕及復職ニ関スル法律

衆議院議員ニシテ大東亜戦争ニ際シ召集中ナルニ因リ其ノ職ヲ失ヒタルモノノ補闕及復職ニ関スル法律

概要

この法律は1943年10月31日に公布され、同日施行されました。当時の日本は太平洋戦争の真っ只中にあり、軍人として召集された衆議院議員が職を失うことが多かったため、その特例を定めたものです。

当時の「衆議院議員選挙法」第7条第2項には、現役の陸海軍人となった場合、衆議院議員としての被選挙権を持たないとする規定がありました。それに加え、「議院法」第78条では、選挙法により衆議院議員としての被選挙権を失った場合、議員は退職する必要があることが定められていました。また、議院法第84条及び衆議院議員選挙法第79条によって、議員の欠員が生じた場合には補欠選挙が実施されることが義務付けられていました。

特例の内容

この法律では、1943年10月31日以降に太平洋戦争のために召集され、職を失った衆議院議員について特例を設けました。具体的には、当該欠員を対象とした補欠選挙を実施することなく、もし召集が解除されれば、当該議員は衆議院議員として復職できると規定されています。法律の附則では、施行前に召集されていた議員についても、補欠選挙の告示が行われない限り、同様の扱いがされることが明記されています。

法律の実効性と廃止

1945年8月15日の玉音放送と、同年9月2日の降伏文書調印によって、太平洋戦争は終結しました。これにより、召集中によって失職した衆議院議員は存在しなくなり、法律は実効性を失いました。しかし、この法律は1954年5月1日に公布され、即日施行された「自治庁関係法令の整理に関する法律」により、正式に廃止されるまで存在し続けました。

暫定適用された議員

本法律が実際に適用された衆議院議員の具体的な名前や詳細は記録に依存しますが、当時の社会状況に鑑みると多数の議員が影響を受けたと考えられます。この法律は、戦時下における日本の政治環境を反映した重要な法令の一つです。

関連項目

• - 太平洋戦争（大東亜戦争）
• - 帝国議会
• - 第21回衆議院議員総選挙
• - 今次ノ戦争ニ際シ召集中ノ者ノ選挙権及被選挙権等ニ関スル法律

この法律を通じて描かれるのは、戦時中の特殊な状況下での議員制度の運用や、その後の政治体制への影響です。政治と軍事が密接に関連する時代背景を考慮することが、この法律を理解する上で重要です。

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