行政副主席

琉球政府における行政副主席は、行政主席を補佐し、政府全体の事務を監督する役割を担った特別職の公務員です。行政主席が職務を遂行できない状況においては、その任務を代行する重要な職責を担っていました。

琉球政府の設立に関する規定である「琉球政府の設立」の第4条において、行政副主席は1名置かれることが定められていました。日本の都道府県では、条例によって複数の副知事を置くことが一般的ですが、琉球政府では行政副主席は1名のみであり、その制度は沖縄返還まで維持されました。

行政副主席の任命は、当初は琉球列島米国民政府の民政副長官（後に高等弁務官）が行っていましたが、1965年に制度が変更され、行政主席が任命する形となりました。日本の都道府県知事が副知事を任命する際に地方議会の同意を得る必要があるのに対し、琉球政府の行政主席は行政副主席の任命に際して立法院の同意を得る必要はありませんでした。

職務

「琉球政府の設立」においては、行政副主席は行政主席の補佐や代行に加え、立法院の議長も兼務すると定められていました。しかし、この規定は立法院が発足して間もなく廃止され、立法院の議員の中から議長が選出されることとなりました。

また、琉球政府には出納長に相当する役職は存在していませんでした。

参考文献

照屋栄一『沖縄行政機構変遷史 明治12年～昭和59年』照屋栄一、1984年8月15日。NDLJP:9775065。

関連項目

琉球政府
行政主席
副知事 (日本))

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