行政執行法人の労働関係に関する法律

行政執行法人の労働関係に関する法律

行政執行法人の労働関係に関する法律（ぎょうせいしっこうほうじんのろうどうかんけいにかんするほうりつ）は、行政執行法人（旧・特定独立行政法人）の職員による争議行為の禁止、職員による労働組合の結成および団体交渉に関する日本の法律です。昭和23年12月20日に法律第257号として公布されました。

概要

この法律は、行政執行法人の職員の労働条件に関する苦情や紛争を、友好的かつ平和的に調整することを目指しています。団体交渉の慣行と手続きを確立することで、行政執行法人の円滑な運営を最大限に確保し、公共の福祉を増進し、擁護することを目的としています（1条1項）。

また、関係者の責務として、国の経済と国民の福祉に対する行政執行法人の重要性に鑑み、法律で定める手続きに関与する関係者は、経済的な紛争をできる限り防止し、主張の不一致を友好的に調整するために、最大限の努力をしなければならないと規定されています（1条2項）。

重要な点として、行政執行法人の職員には、「同盟罷業、怠業、その他業務の正常な運営を阻害する一切」の争議行為が禁止されています（17条1項）。これは、公共サービスの安定的な提供を確保するための重要な措置です。

経緯

この法律は、時代とともにその対象範囲や名称を変えてきました。その変遷を以下にまとめます。

1948年（昭和23年）：日本国有鉄道・日本専売公社を対象に公共企業体労働関係法として制定。
1952年（昭和27年）：電信電話事業が日本電信電話公社として公共企業体となり、政府直営の5現業とともに対象に追加。公共企業体等労働関係法に改題。
1985年（昭和60年）：電電公社・専売公社が民営化。
1987年（昭和62年）：国鉄が民営化。国営企業労働関係法と改題。
1999年（平成11年）：独立行政法人通則法施行。国営企業及び特定独立行政法人の労働関係に関する法律と改題。
2002年（平成14年）：郵政事業が日本郵政公社として公共企業体となり、対象に追加。特定独立行政法人等の労働関係に関する法律に改題。
2013年（平成25年）：国有林野事業が一般会計事業化。対象が特定独立行政法人のみとなり、特定独立行政法人の労働関係に関する法律に改題。
2015年（平成27年）：独立行政法人通則法改正。特定独立行政法人が行政執行法人となり、行政執行法人の労働関係に関する法律に改題。

構成

法律は、以下の章で構成されています。

第1章：総則（第1条―第3条）
第2章：労働組合（第4条―第7条）
第3章：団体交渉等（第8条―第16条）
第4章：争議行為（第17条―第19条）
第5章：削除
第6章：あっせん、調停及び仲裁（第25条―第35条）
第7章：雑則（第36条・第37条）

関連項目

三公社五現業
* スト権スト

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