衛立煌

衛立煌の生涯と業績

衛立煌（えい りつこう）は中華民国の著名な軍人で、その活動は日中戦争や国共内戦を通じて重要な役割を果たしました。彼は南方政府に所属し、孫文の指導のもとで成長し、多くの戦闘で指導的な地位に就いていました。彼の字は俊如、輝珊です。

初期の経歴

衛立煌は、地方役人の家庭に生まれ育ち、田賦の登記や管理を担当していました。辛亥革命が勃発すると、彼は軍職に就くことを決意し、兄とともに和県で活動を始めました。その後、彼は漢口へ移り、兵士としての道を歩むこととなります。彼は広州の朱慶瀾の省軍に加わり、ここから彼の軍人としてのキャリアがスタートしました。

護法運動での活躍

1917年に孫文が護法運動を開始すると、衛はその護衛部隊に選ばれます。この時期に彼は商団反乱の鎮圧や陳炯明討伐に功績を挙げ、順調に昇進していきました。1925年には蔣介石の下で国民革命軍第1軍第3師団の団長に就任しました。

戦争での指導者としての成長

その後も、衛立煌は数々の戦闘で指揮を執り、特に北伐においては重要な戦果を上げました。彼は1930年には第45師の師長に任命され、中原大戦では津浦線と南京の防衛に責任を持ちました。さらに、1932年の中路軍第6縦隊指揮官としての任務も果たし、その後は第14軍の軍長として任命されました。

日中戦争への対応

1937年、日中戦争が勃発すると、衛立煌は第14集団軍総司令に任命され、日本軍との交戦を開始しました。彼は八路軍とも連携しながら戦闘を展開し、特に対日戦では目覚ましい戦果を上げました。しかし、彼は1942年に蔣介石から疑いをかけられ、軍事委員会西安弁公庁の主任に左遷されることになります。

その後も彼の軍事的能力は評価され、1943年には中国遠征軍司令長官に就任。以降、雲南省で日本軍との戦闘を指導し、1945年には陸軍副総司令に昇進しました。

国共内戦と晩年

日中戦争が終わった後、衛立煌は国共内戦の開始に強く反対しましたが、蔣介石と陳誠の内戦推進に直面し、外遊に旅立つことになりました。帰国後は国民党が国共両軍の緊張を高める中で、指揮権を制限されることが多く、最終的には1948年に東北剿匪総司令に任命されました。しかし、彼は指揮権が制限される中で勝利を収められず、遼瀋戦役で敗北を喫しました。

1949年、国民党の敗北後は香港に移住し、その後、中華人民共和国が成立するや否や速やかに祝電を送るなど新しい時代への適応を見せました。1955年には北京を訪れ、歓迎を受け、その後も政治の舞台で活動を継続しました。1960年に北京市で亡くなり、享年は64歳でした。

もう一度検索