衛視

衛視（えいし）について

衛視とは、日本の国会において公的機関の警備や監視を任された特定の職員を指します。特に衆参両議院のそれぞれに存在し、議院事務局の職員の一部として機能しています。この記事では、衛視の役割、法的背景、組織構成、制服、職務内容、さらには歴史的な沿革について詳しく説明します。

法的背景

衛視は、国会法第114条に基づいて設置されており、議院事務局の長である事務総長によって命じられます。この職務には議院警察権の執行が含まれ、国会の秩序を維持するために必要な職務が与えられています。衛視はその中でも最初の段階の職務を担う職階として位置付けられています。即ち、議院事務局法において衛視長、衛視副長、衛視の3つの階級が規定されています。

階級構成

衛視の階級は、最高位の「衛視長」を筆頭に、衛視副長、衛視の3階級に分かれています。衛視班長という実質的な役職も存在しますが、これは名誉的な地位であり、公式な階級としては認められていません。衛視の職務は、国会の安全を保証するために専念する重要な役割を果たしています。

制服の特徴

衛視の制服は、一般の警察官の制服に似ていますが、いくつかの重要な相違点があります。制帽には社章や桜の模様が施されており、職階章は国会議事堂を模したデザインとなっています。また、衛視は武装を基本的に行わず、笛のみを持ち歩いていますが、最近では防刃ベストや特殊警棒を携帯する衛視も存在しています。

職務と権限

衛視の職務は、衆議院・参議院両方の議長の指揮下で行われ、主に国会議事堂内の監視や警備を担います。職務には、不法侵入の防止、議場の警備、重要要人の警護などが含まれます。また、院内警察権を行使するため、議事堂内の秩序を保持する役割も任されています。職務中の混乱には、議長からの指示で行動し、必要に応じて傍聴席でのトラブルにも介入することが求められます。

身分と待遇

衛視は国家公務員法上の特別職であり、衆参両議院事務局の警務部に所属します。任用は衛視採用試験を通じて行われ、昇進は衛視の階級に基づいています。給与体系は、他の公務員とは異なり、議院警察職俸給表が適用されます。

沿革

衛視の起源は、かつて帝国議会に存在した「守衛」に遡ります。1947年に現在の国会が設立される前に、守衛の役職名が「衛視」に改称され、職権も変更されました。時が経つにつれ、階級に変更はありますが、基本的な役割は今日も変わりません。

日本国外の衛視

国内の衛視に類似する役割を持つ職員が他国にも存在しますが、国によってその権限や職務内容は大きく異なります。例えば、イギリス議会の守衛官やアメリカ合衆国議会の守衛官がその一例です。

衛視の職務は国会の秩序を維持し、重要な法律機関を守るために重要な役を果たしています。国会の安全性を確保するために、衛視は日々その責任を全うしているのです。

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