表富士周遊道路

富士山スカイライン

富士山スカイラインは、静岡県富士宮市から御殿場市にかけて、富士山の南麓を東西に走る山岳道路です。全長34.5kmの道路は、かつて有料道路でしたが、現在は無料で通行できます。

概要

この道路は、以下の3つの県道から構成されています。

静岡県道23号御殿場富士公園線
静岡県道152号富士公園太郎坊線
静岡県道180号富士宮富士公園線

大きく分けて、「周遊区間」と「登山区間」の2つがあります。

周遊区間: 富士宮市山宮から御殿場市中畑を結ぶ、全長約21.5kmの区間。富士山の裾野を東西に横断し、国道469号の迂回路としても機能します。森林地帯を走るため、眺望は限られますが、交通量が少なく、比較的緩やかなカーブが続くため、快適なドライブを楽しめます。
登山区間: 富士山二合目から五合目（新五合目）を結ぶ、全長約13kmの区間。マイカーでアクセスできる日本最高地点として知られています。冬季は閉鎖されますが、それ以外の期間は多くの登山客や観光客で賑わいます。

周遊区間

周遊区間は、富士山の南側を東西に走る道路です。冬季でも閉鎖されることはありませんが、路面が凍結する可能性があるため、注意が必要です。沿線には、水ヶ塚公園があり、休憩所やレストラン、土産物店などの施設が利用できます。

登山区間

登山区間は、富士山二合目から五合目までの区間です。全線2車線道路ですが、中盤からヘアピンカーブが連続するつづら折りの道路となります。五合目には、駐車場や休憩施設、登山バスのバス停があります。登山シーズン中は、マイカー規制が行われるため、シャトルバスや登山タクシーを利用する必要があります。

通行規制

登山区間には、以下の通行規制があります。

冬季通行止め: 11月中旬から翌年4月中旬まで
夏季マイカー規制: 7月中旬から9月中旬の一定期間

マイカー規制期間中は、水ヶ塚駐車場からシャトルバスまたは登山タクシーを利用して五合目まで行くことができます。

新五合目の意味

現在の終点である五合目（新五合目）は、もともとは三合目（3.5合目）でした。しかし、山梨県側の富士スバルラインの終点が五合目を名乗っていたため、競合上、新五合目と命名されました。また、標高がはっきりしていなかった時代から使われていた合目の基準が曖昧であったことも理由の一つです。その後、「新」が取れて、単に五合目と呼ばれるようになりました。

歴史

1970年、自動車で富士山の高地まで行けるように、登山道が建設されました。これにより、富士山はより身近な山となりました。

かつては有料道路でしたが、1994年に無料開放されました。また、1987年には、「日本の道100選」にも選定されています。

年表

1969年7月1日：富士宮区間の供用開始
1970年7月1日：御殿場区間、登山区間の供用開始
1987年8月10日：日本の道100選に選定
1994年7月1日：無料開放

地理

富士山スカイラインは、富士山の南斜面の裾野から中腹にかけて位置しています。五合目は標高約2380mの高地にあり、駿河湾や富士市、静岡市の街並み、遠くは伊豆半島や太平洋を一望できます。また、裾野に広がる原生林を眺めることもできます。

五合目からは、富士山山頂へ向かう本格的な登山道も利用できます。山頂までの所要時間は約5時間30分です。富士登山のシーズンは、毎年7月1日から8月31日までです。

沿道には、グリーンキャンプ場、ふれあいの森、雪の遊び広場、水ケ塚公園などの施設があります。

脚注

参考文献

浅井建爾『日本の道路がわかる辞典』日本実業出版社、2015年
小川秀夫、栗栖国安、田宮徹 著「富士山スカイライン」、中村純一編 編『ニッポン絶景ロード100』枻出版社、2016年
佐々木節、石野哲也、伊藤もずく 著「富士山スカイライン」、松井謙介編 編『絶景ドライブ100選 [新装版]』学研パブリッシング、2015年
佐藤健太郎『ふしぎな国道』講談社、2014年
須藤英一『新・日本百名道』大泉書店、2013年
中村淳一編 編『日本の絶景ロード100』枻出版社、2018年
「日本の道100選」研究会 著、国土交通省道路局（監修） 編『日本の道100選〈新版〉』ぎょうせい、2002年

関連項目

富士山[[有料道路]]（富士スバルライン）
無料開放された道路一覧

外部リンク

静岡県道路公社50年のあゆみ - 熱函道路・西伊豆スカイライン・表富士周遊道路
静岡県 - 富士山スカイライン道路情報
富士宮市 - 富士山スカイライン
開通情報
* 閉鎖情報

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