表面麻酔

表面麻酔について

表面麻酔とは、特定の局所麻酔薬を使用し、身体の一部の感覚を麻痺させる医療行為を指します。具体的には、皮膚や眼球の表面、鼻、耳、喉、肛門、外陰部など、様々な部位の感覚を対象としています。これに用いられる局所麻酔薬は、クリームやスプレー、ローションなどの形態で供給され、成分としてはベンゾカイン、リドカインなどが一般的です。

適応症

表面麻酔は、痛みやかゆみを和らげるために広く用いられています。例えば、日焼けや軽度の火傷、虫刺され、または軽傷の切り傷や引っかき傷などの際に適用されます。眼科分野では、目の表面である角膜や結膜の麻痺を目的としても使用されます。その具体的な用途には、以下のようなものがあります：

• - 圧平眼圧測定の実施
• - 角膜や結膜上の小さな異物の除去

このようなときには、異物が奥にあるほど、麻酔を十分に施すことが重要です。歯科治療においても、口腔内の軟組織に針を刺すため、事前に表面麻酔を行うことがあります。また、尿道カテーテルの留置に際しては、リドカインゼリーが用いられることが一般的です。

近年では、早漏の一時的な緩和のために、陰茎の亀頭に局所麻酔薬を塗布することも広まっていますが、これは日本の麻酔科学会のガイドラインには適応がありません。

効果と持続時間

表面麻酔の効果は、使用する製剤によって異なるものの、通常30分程度持続するとされています。リドカインを例えば咽頭に投与すると、約10分後には血中濃度が最大に達し、その際の濃度が中毒症状を引き起こす可能性があるため注意が必要です。

薬物の乱用に関する問題

外用麻酔薬の過剰使用は、角膜に深刻な損傷を与える可能性があり、最悪の場合は失明に至る危険性もあります。局所麻酔薬の乱用は、しばしばアカントアメーバ角膜炎や他の感染性角膜炎と誤診されます。目の痛みが強く続く場合には、局所麻酔薬の使用障害の可能性も考慮する必要があります。このような問題により、医療従事者は患者への局所麻酔薬処方に関して慎重であるべきです。

目の痛みの緩和には、抗けいれん剤や抗うつ剤などの中枢神経に作用する薬剤が推奨されます。これらの薬剤は、少量でも痛みを効果的に緩和し、角膜にダメージを与えるリスクを減少させるため、特に長く続く神経痛に悩む患者には重要な治療選択肢となります。

まとめ

表面麻酔は、様々な医療現場で広く使用されており、多様な適応を有しています。その反面、使用方法を誤ると重篤な結果を招くことがあるため、適切な指導の下での運用が不可欠です。患者は麻酔の使用に関してのリスクについて十分な理解を持つことが重要です。

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