袁譚

袁譚（えん たん）

袁譚（生年不詳 - 建安10年（205年））は、後漢時代末期の武将で、袁紹の長男として知られています。字は顕思。彼は父・袁紹の後継者争いに巻き込まれ、その短い生涯を終えました。

生涯

青州刺史として

袁譚は、父・袁紹の命により伯父の養子となり、後継者争いから外され青州へ派遣されました。青州では、公孫瓚が任命した田楷や孔融と戦い、これを破って青州を平定し、青州刺史に任じられました。しかし、その統治は必ずしもうまくいかず、人材を活かせず、奸臣の言葉に耳を傾けることが多かったとされています。

袁譚は劉備を丁重に受け入れたことが記されています。また官渡の戦いでは、父に従い曹操と戦いましたが、敗北を喫しました。

袁尚との内戦

建安7年（202年）、袁紹が後継者を明確に指名しないまま病没すると、袁譚と弟の袁尚との間で後継者争いが勃発します。袁譚は年長であり、一部の幕僚から支持されていましたが、袁紹の寵愛を受けた袁尚が後継者として擁立されました。

袁譚はこれに反発し、袁尚と対立。曹操が黎陽へ攻め込むと、袁尚に援軍を要請しましたが拒否されたため、袁尚派の逢紀を殺害。兄弟の仲はさらに険悪化し、ついには決裂します。

袁譚は郭図らの助言を受け、曹操に降伏。曹操の支援を得て袁尚と戦いますが、形勢は好転しませんでした。

南皮での戦死

建安10年（205年）、袁譚は南皮で曹操軍と戦い、敗北。逃走中に曹純に討ち取られ、首を獄門に晒されました。彼の死後、王修がその遺骸を埋葬することを願い出て、許可されたと伝えられています。

人物

袁譚は、年長で人柄も優しく恵み深かったとされますが、実際には奸臣の言葉に左右されやすく、人材を活かせない一面がありました。また、内戦においては優柔不断な態度が目立ち、後継者争いにおいては、郭図や辛評など一部の支持を得るにとどまりました。

評価

袁譚は、後継者争いに敗れ、早世した悲劇の武将として描かれることが多いです。彼の生涯は、内乱と策略に翻弄された時代を象徴するものとして、後世に語り継がれています。

三国志演義における袁譚

小説『三国志演義』では、無能な武将として描かれており、曹操に降伏の使者として赴いた辛評を憤死させるなど、その愚かさが強調されています。南皮の戦いでは、曹洪に討ち取られたことになっています。

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