曹純

曹純（そう じゅん）

曹純（? - 210年）は、後漢末期の武将。字は子和。豫州沛国譙県（現在の安徽省亳州市譙城区）の出身。曹操とは従兄弟の関係にあたります。

生涯

14歳で父を亡くし、家を継ぎました。数百人の召使や食客を監督し、その有能さを郷里の人々に認められました。また、学問を好み学者を敬愛したため、多くの学者が彼のもとに集まりました。

20歳で曹操に仕え、襄邑での募兵に同行。その後も曹操の側近として仕えました。議郎・司空軍事に就任。

曹操は精鋭騎兵隊である虎豹騎を所有していましたが、その指揮官を曹純に任せました。曹純は虎豹騎を率いると、部下をよく可愛がり、統率力に優れていたため、部下からの信頼も厚かったとされています。

205年、袁譚が籠る南皮の包囲戦に参加。曹操軍が損害を受けると撤退を検討する曹操に対し、曹純は「敵は勝利に驕り、自軍は敗北を慎重になっている。今こそ攻めるべきです」と進言し、袁譚を討ち取る功績を挙げました。

207年の烏桓との戦い（白狼山の戦い）では、曹純の騎馬隊が蹋頓を捕虜にするという大戦果を挙げました。これらの功績により、高陵亭侯に封じられ、300戸を与えられました。

208年の荊州平定戦にも従軍。長坂では劉備を追撃し、劉備の娘らを捕虜にするなど、多くの戦果を挙げました。その後、江陵を降伏させました。

210年に41歳（または40歳）で死去。曹操は曹純の死を深く悼み、彼ほどの指揮官は得られないとして、虎豹騎を自ら指揮することを決めたとされています。その後、曹純の後任の指揮官が選ばれることはありませんでした。

曹丕（文帝）の時代に諡号が贈られ、威侯とされました。子である曹演は領軍将軍にまで昇進し、その子孫もまた、地位を継承しました。

曹純の人物像

曹純は、その軍事的な才能だけでなく、人柄の良さでも知られていました。部下を大切にし、学問を尊重する姿勢は、多くの人々から尊敬を集めました。彼の死後、曹操が後任の指揮官を選ばなかったことからも、曹純がいかに優れた人物であったかが窺えます。

虎豹騎（こひょうき）

虎豹騎は、曹操が率いた精鋭騎兵部隊であり、その名は虎や豹のように勇猛果敢であることに由来します。曹純はその指揮官として、数々の戦で勝利を収め、虎豹騎の名を高めました。この部隊は、曹操軍の中でも特に重要な役割を担い、その後の魏の勢力拡大に大きく貢献しました。

補足

小説『三国志演義』では、曹純の虎豹騎指揮官としての活躍はあまり描かれていません。南郡攻防戦で曹仁の部将として登場し、周瑜に敗北する場面や、潼関の戦いで馬超と戦う場面などが描かれています。

参考文献

『三国志』
『後漢書』

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