王修

王修（おう しゅう）

王修（おう しゅう、生没年不詳）は、後漢時代末期の政治家。字は叔治（しゅくじ）。青州北海郡営陵県（現在の山東省濰坊市昌楽県）の人。

生涯

青州での治績

初平年間、孔融に仕え、高密県令として実績を上げました。孝廉に推挙されましたが、都に上ることはありませんでした。その後、膠東県令に任じられます。当時、有力豪族だった公沙盧（こうさ ろ）が防備を固め租税を払わなかったため、王修はわずかな手勢を率いて公沙盧の屋敷に乗り込み、その兄弟を斬りました。孔融が困難に直面した際には必ず駆けつけ、助けたとされています。

建安元年（196年）頃、孔融は袁譚に青州を追われます。王修は袁譚にも招聘され、治中従事に任命されました。しかし、青州別駕（州内第二位の地位）の劉献が王修を嫉視・排斥したため、袁譚は王修を十分に活用できなかったと言われています。その後、袁譚の父である袁紹に召し寄せられ、即墨侯国の令に任命されました。再び袁譚の下に戻った後、青州別駕に任命され、袁譚からの信頼を得て腹心となりました。

袁譚への忠義とその後の活躍

建安8年（203年）、袁譚と袁尚が兄弟で争い、袁譚が敗れて南皮へ退却した際、王修は青州軍を率いて救援に駆けつけ、袁譚を喜ばせました。王修は袁尚との争いをやめるよう、また佞臣（郭図・辛評）を斬るよう進言しましたが、聞き入れられませんでした。袁譚は郭図の助言に従い曹操に一時降伏し、勢力拡大を図りますが、これが原因で再び曹操と対立することになります。

建安10年（205年）、曹操が南皮に攻め寄せると、王修は再び救援に向かいましたが間に合いませんでした。南皮に到着した王修は、獄門にかけられていた袁譚の首級を見て慟哭し、袁譚の遺体を弔いたいと曹操に嘆願し、許可を得て懇ろに埋葬しました。

曹操はこの王修の清廉忠直な人柄を賞賛し、臣下に迎えました。以後、司空掾・行司金中郎将・魏郡太守を歴任し、賞罰を厳格に定めた法を制定し、善政を敷いたため、民衆から賞賛されました。建安21年（216年）、大司農兼郎中令へ昇進しましたが、在職中に死去しました。没年は不明ですが、曹丕が即位した黄初元年（220年）までには亡くなっていたことが分かっています。

王修は若い頃の王基や高柔らの才能を見抜いたため、人を見る目が優れていると賞賛されました。優れた人格と剛直さを併せ持っていたと評されています。

子孫

子の王儀は司馬昭により無実の罪で殺されました。孫の王裒は二十四孝で著名となりました。

三国志演義

小説『三国志演義』にも登場し、袁尚と和睦するよう袁譚に諫言する場面が描かれていますが、怒りを買って退けられています。それ以降は史実通りの展開となっています。

参考文献

『三国志』魏書11王修伝
『三国志』魏書6袁紹伝
『三国志』魏書2文帝紀
『後漢書』列伝64下付・袁譚伝
* 『三国演義』

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