袋町 (広島市)

袋町（ふくろまち）について

袋町は、広島県広島市中区に位置する地名です。この地域には丁目はなく、郵便番号は730-0036です。袋町には556人の住民が暮らしています。

地理

袋町は広島市の中心部にあり、周辺にはいくつかの主要道路が接しています。東側には並木通りが並び新天地へとつながり、西側には鯉城通りを挟んで大手町2丁目があります。南側は中町に接し、北側は本通りと接しています。

歴史

袋町という地名の由来は、江戸時代にここで女性用の袋物を製作していたことにちなんでいます。この地で作られた袋は縁起が良いとされる大黒天にちなんだもので、袋物以外にも扇や櫛、簪なども製造されていました。これにより、今日の本通商店街の基盤が築かれたと言われています。

江戸時代以前

袋町は1657年、大火後に形成されました。当初北側は町地、南側は侍士屋敷地と定められ、その境は杉の木小路にありました。切絵図によると、当時の町には35軒の家があり、町間は約251メートルでした。1872年には町地や侍士屋敷地が合併して現在の袋町が誕生しました。

明治以降

1879年には広島区、1889年には広島市の地名として認識されました。また、1876年には小町の就將館が移転し、桜川学校（現在の広島市立袋町小学校）が設立されました。その後、数理学会（現・広陵高等学校）や袋町女子高等小学校も設立されるなど、教育機関も増えていきました。1917年には285戸の住居があり、907人が居住していたことが記録されています。

被爆の状況

1945年の原爆投下の際、袋町一帯では多くの人々がその場で命を失いました。推定では、その地域にいた人々の87%から90%が即死したとされています。火災による被害も甚大で、袋町国民学校や広島中央電話局などの施設でも多くの人命が奪われ、惨事が広がりました。

第二次世界大戦後

戦後、1951年には袋町の世帯数は66、人口は269人に減少しました。1965年には町名の再編が行われ、部分的に大手町の一部が編入されました。また、1980年には広島市が政令指定都市となり、袋町は中区の一部として位置づけられました。

人口の変遷

袋町の人口は戦後数十年にわたり、さまざまな変遷を辿っています。この地域における住居数や世帯数は時代とともに変化し続けています。

交通

袋町へのアクセスは便利で、広島電鉄の宇品線（1・3・7号線）では袋町停留場が利用可能です。また、アストラムラインの本通駅も近く、バスも「袋町」停留所に停まります。周辺には主要な国道も通っています。

施設

袋町にはいくつかの教育機関や公共施設があります。地元の学校としては広島市立袋町小学校があり、町の中心に位置して避難所としても使用された歴史があります。また、袋町公園には慰霊碑が設置されており、地域の人々の記憶を今に伝えています。周辺には金融機関や企業も多く、活発な商業地域です。

袋町出身の人物

袋町からは多くの著名人が輩出されています。中でも岡部直三郎（軍人）、田部武雄（野球選手）、長沼健（サッカー選手・監督）などがその名を馳せています。

袋町は歴史的にも地理的にも重要な地域であり、広島の震災の記憶としても大切な場所です。

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