袴田茂樹

袴田 茂樹について

袴田茂樹（はかまだ しげき、1944年3月17日生まれ）は、日本を代表する国際政治学者及び社会学者です。新潟県立大学名誉教授であり、青山学院大学でも名誉教授の称号を持っています。彼の専門はロシア社会論であり、特にロシア及び東欧に関する知見を深め、政治や社会に関する研究を行ってきました。

略歴

袴田は広島県福山市で生まれ、広島県立福山誠之館高等学校を卒業後、1967年に東京大学文学部哲学科を卒業しました。大学在学中には、土屋賢二や菅野盾樹といった同級生もいました。その後、1972年にモスクワ国立大学大学院哲学部を修了し、1977年に東京大学大学院社会学研究科で国際関係論を専攻して単位を取得した後、卒業しました。

学術的なキャリアは芦屋大学の助教授から始まり、青山学院大学の助教授を経て、1988年には同大学における教授職に就任しました。2012年には定年退職し、その後新潟県立大学に移り、2020年に同大学の名誉教授となっています。

研究と業績

袴田はその業績を通じて、日本におけるロシア問題のオピニオンリーダーとして知られています。日本の外務省にも影響を与える存在とされ、外交政策の決定において重要な役割を果たしてきました。彼の言葉を借りれば、外交における韓国の国の独自性への理解が必要だと述べています。

2012年には、「深層の社会主義」という著書を通じて、1987年にサントリー学芸賞を受賞しました。その後、2003年にはロシア・東欧学会の代表理事に就任し、2008年には日本ロシア・東欧研究連絡協議会の代表幹事を務めました。これらの役割は、彼が信頼される学者であることを示しています。

個人的背景

袴田は、父親が1940年にソ連に政治亡命したことや、伯父が日本共産党の幹部であったことが注目されています。また、異母妹のイリーナ・ハカマダは、ロシア連邦の議会下院を議員として務めていた過去があります。このような家族背景が彼の研究や政治的立場に影響を与えていることは否定できません。

最近の動向

2022年、ロシアのウクライナ侵攻に関連して、日本政府の政策に対するロシアの報復措置を受け、袴田はロシアへの入国を恒久的に禁止される事態となりました。これは彼の学問的および社会的立場に与える影響が大きい出来事となっています。

所属団体と著書

袴田は公益財団法人日本国際フォーラムに参与として参加しており、政策委員としても活動しています。彼の著作は多岐にわたり、以下のような作品があります：

• - 『ソ連――誤解をとく25の視角』
• - 『深層の社会主義――ソ連・東欧・中国こころの探訪』
• - 『ロシアのジレンマ――深層の社会力学』
• - 『プーチンのロシア――法独裁への道』
• - 『現代ロシアを読み解く――社会主義から「中世社会」へ』

彼の研究は、政治や社会に関する深い知見を提供しており、今後も多くの人々に影響を与えることでしょう。

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