裴之礼

裴之礼の生涯

裴之礼（はい しれい）は、南朝梁における著名な軍人と官僚であり、その生没年は不詳です。彼の字は子義で、本貫は河東郡聞喜県にあります。彼は裴邃の息子として生を受け、学識と武勇を兼ね備えた人物として知られています。

軍歴の始まり

裴之礼は国子生として教育を受け、その後、才能を認められ邵陵王の左常侍及び信威行参軍に任命されました。普通5年（524年）には邵陵王蕭綸が権を握る南兗州において長流参軍に任命されますが、赴任する前に宿衛としてとどまるよう命じられ、その後直閤将軍に任ぜられました。このように、彼は早くから高い地位に就いていました。

戦争への参加

普通6年（525年）、父である裴邃を失った後には、封を嗣ぎました。また、普通7年（526年）には寿陽の攻撃に従軍し、雲麾将軍としての地位を授かります。更に、散騎常侍に転任し、持ち前の武勇を発揮する機会が増えていきます。

戦役の数々

普通8年（527年）には、夏侯夔の指揮のもと義陽道に出陣し、平静・穆陵・陰山の三関攻撃に参加します。この戦闘において彼は、留まらずに攻勢を強め、最終的には広陵城を陥落させる功績を挙げました。この功績によって、信武将軍及び西豫州刺史に任命され、軽車将軍の位も追加されました。

武帝との関わり

中大通5年（533年）、北魏の武帝が無遮会を開いた際の出来事が裴之礼の名をさらに広めることになります。舞台で暴走した象が武帝に向かって突進してきたとき、一般の王侯たちが逃げる中、彼と臧盾は動じずにその場に留まりました。この冷静さが評価され、壮勇将軍・北徐州刺史に任命されることとなりました。

最後の日々

その後、裴之礼は召還されて太子左衛率の地位に就くことになり、衛尉卿を兼任します。彼のキャリアはこのように順調に進んでいきましたが、最終的には少府卿に転じた後、死を迎えました。その後、彼の業績が評価され、諡号は「壮」と名付けられました。

家族のこと

裴之礼には子がおり、裴政と名付けられた彼は、承聖年間に給事黄門侍郎にまで上り詰めます。江陵の陥落後には西魏に仕官することとなるなど、家系もまた名を馳せました。

文献資料

裴之礼に関する詳細な記録は、『梁書』第28巻及び『南史』第58巻に記載されています。彼の生き様は、南朝時代の軍人の一例として、我々に数々の教訓を与えてくれます。

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