西サハラの行政区画

西サハラの行政区画

西サハラは、その領有権を巡ってサハラ・アラブ民主共和国（ポリサリオ戦線）とモロッコ王国が対立している地域です。旧スペイン領サハラであり、現在、領域の大部分はモロッコが実効支配しており、その東縁には「砂の壁」が築かれています。一方、亡命政権であるサハラ・アラブ民主共和国は、「砂の壁」以東の地域を「解放区」として統治しています。

サハラ・アラブ民主共和国による行政区画

サハラ・アラブ民主共和国は、4つのウィラーヤ（地方）を設けています。名目上の首都はアイウン（ラユーン）ですが、実際には隣国アルジェリアのティンドゥフに首都機能を置いています。また、西サハラ領域内のティファリティを臨時首都としています（2008年以前はビル・ラフルーが臨時首都でした）。

モロッコによる行政区画

モロッコは西サハラの主要地域を実効支配しており、この地域を「南部諸州」と呼んでいます。モロッコは過去に数回、行政区画の改変を行っており、2015年以降は西サハラの領域を3つの地方に分割しています。各地方の下には州が置かれています。

1. ゲルミン＝オウィド・ノウン地方
首府：ゲルミン（西サハラの領域外）
2. ラユーン＝サキア・エル・ハムラ地方
首府：アイウン（ラユーン）
3. ダフラ＝オウィド・エッ＝ダハブ地方
首府：ダフラ

これらのうち、ダフラ＝オウィド・エッ＝ダハブ地方とゲルミン＝オウィド・ノウン地方は、西サハラの領域外にもまたがる行政区画となっています。

このように、西サハラはサハラ・アラブ民主共和国とモロッコ王国という2つの主体によって、それぞれ異なる行政区画が主張されている複雑な地域です。この状況は、西サハラ問題という未解決の領土問題の根深さを物語っています。

関連情報
西サハラ問題
国家承認を得た国連非加盟の国と地域の一覧
独立主張のある地域一覧
ISO 3166-2:EH

外部リンク
Provinces of Western Sahara, Statoids.com

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