西中国山地国定公園

西中国山地国定公園

西中国山地国定公園は、中国山地の西部に位置し、島根県、広島県、山口県の3県にまたがる広大な山岳公園です。1969年1月10日に指定され、総面積は28,553ヘクタールに及びます。この公園は、標高1,000mから1,300m程度の山々が連なる準平原的な山容が特徴で、阿佐山、恐羅漢山、冠山、寂地山などの山々がそびえ立っています。

地形と地質

公園内には、これらの山々に加えて、匹見峡、三段峡、寂地峡といった渓谷や断層谷が数多く存在します。地質は、北部が流紋岩類、南部が花崗岩類で構成されており、これらは中生代白亜紀に形成されたものです。これらの地質的特徴が、多様な地形と景観を作り出しています。

主な山々

公園内には、以下のような特徴的な山々があります。

恐羅漢山 (1,346m): 公園内で最も標高の高い山で、山頂からは周囲の山々を一望できます。
冠山 (1,339m): 美しい山容が特徴で、登山者に人気があります。
寂地山 (1,337m): 豊かな自然林が残り、静寂な雰囲気が魅力です。
安蔵寺山 (1,263m): ブナの自然林が広がり、秋には美しい紅葉が見られます。
臥竜山 (1,223m): 独特な山容が特徴的です。
阿佐山 (1,218m): 比較的登りやすい山で、ファミリー登山にも適しています。
深入山 (1,153m): 比較的低い山ですが、豊かな自然が残っています。

渓谷

公園内には、以下のような美しい渓谷があります。

三段峡: 変化に富んだ渓谷美が魅力で、遊歩道が整備されています。
匹見峡: 深い緑に覆われた渓谷で、静かな雰囲気が楽しめます。
深谷峡: 両岸が切り立った断崖の渓谷で、自然の迫力を感じられます。
寂地峡: 清流が流れる美しい渓谷で、ハイキングに最適です。
雙津峡: 特徴的な岩が並び、変化に富んだ景観が魅力です。

生物

西中国山地国定公園は、温暖帯から冷温帯にかけての移行帯に位置するため、多様な植物相と動物相が見られます。

植物

山岳上部にはブナ林が広がり、特に安蔵寺山、恐羅漢山、冠山、寂地山などには、手つかずの自然林が残っています。これらのブナ林は、四季折々の美しい景観を作り出します。

動物

1966年の調査では、哺乳類14科23種、鳥類31科93種、両生類5科12種、昆虫類10目83科371種、魚類11科23種が報告されています。特に、ツキノワグマは本州における生息の西限とされており、貴重な野生動物が生息する地域です。

まとめ

西中国山地国定公園は、豊かな自然と多様な生物が生息する貴重な地域です。登山やハイキング、渓谷散策など、様々なアクティビティを楽しむことができます。四季折々の美しい自然景観を求めて、多くの人々が訪れます。

関連項目

* 国定公園一覧

もう一度検索