西倉吉駅

西倉吉駅は、かつて鳥取県倉吉市西倉吉町に位置していた、日本国有鉄道（国鉄）倉吉線の駅でした。1985年（昭和60年）4月1日、倉吉線の全線廃止とともに、その歴史に幕を閉じました。

歴史

西倉吉駅は、1941年（昭和16年）5月17日に、倉吉線の倉吉駅（後の打吹駅）から関金駅間の延伸に伴い、一般駅として開業しました。地域住民の足として、また貨物輸送の拠点として、長年にわたり活躍しました。

しかし、時代の流れとともに鉄道貨物輸送が衰退し、1983年（昭和58年）12月31日には貨物の取り扱いが廃止されました。さらに、1984年（昭和59年）2月1日には荷物の取り扱いも廃止され、駅の機能は縮小されていきました。そして、1985年（昭和60年）4月1日、倉吉線の全線廃止に伴い、西倉吉駅も廃駅となりました。

駅構造

廃止当時の西倉吉駅は、島式ホーム1面2線を有する地上駅であり、駅員が配置された有人駅でした。駅舎は構内の東側に位置し、駅舎の南側には有蓋車用の貨物ホームがありました。当時の面影を偲ぶことはできませんが、駅構内は活気に満ち溢れていたことでしょう。

駅周辺

西倉吉駅の周辺には、様々な施設がありました。オンキヨートレーディング（鳥取オンキヨー）をはじめ、倉吉市立西中学校、鳥取県立倉吉西高等学校など、教育機関も点在していました。また、鳥取県自動車学校や倉吉西倉吉郵便局、東宝ストア西倉吉店など、地域住民の生活を支える施設も充実していました。駅前には、日交バス・日ノ丸バスの「西倉吉」停留所・「西倉吉町」停留所があり、バス路線も利用できました。

跡地

駅舎はすでに撤去されていますが、ホームの一部が保存され、数メートルの線路が復元されています。駅跡の敷地は、公園（ロードステーションにしくら）とトイレに整備され、地域住民の憩いの場となっています。かつて西側に存在した島式ホームも保存され公園の一部となっていましたが、県道501号拡幅の際に撤去され、現在の形となりました。

また、西倉吉駅跡は、上小鴨駅跡まで続く遊歩道「花と緑のふれあいロード」（鳥取県道501号倉吉東郷自転車道線）の出発地点となっています。サイクリングやウォーキングを楽しむ人々にとって、絶好のスタート地点と言えるでしょう。

西倉吉駅は、倉吉線の歴史とともに、地域住民の記憶に深く刻まれています。駅はなくなってしまいましたが、その跡地は公園として整備され、人々に親しまれています。また、遊歩道の出発地点として、新たな役割を担っています。西倉吉駅の歴史は、これからも語り継がれていくことでしょう。

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