西園寺実遠

西園寺実遠（さいおんじ さねとお）は、室町時代中期から後期にかけて活躍した公卿・歌人です。太政大臣を務めた西園寺公名を父に持ち、その家格は清華家でした。

経歴

嘉吉2年（1442年）に叙爵を受け、以降、清華家の当主として異例の速さで昇進を重ねました。左近衛中将や讃岐介を経て、文安5年（1448年）には従三位となり、公卿の仲間入りを果たします。その後も、権中納言、権大納言、右近衛大将といった要職を歴任し、文正元年（1466年）には内大臣に任じられました。

応仁元年（1467年）には従一位に叙せられますが、内大臣を辞職します。文明13年（1481年）には右大臣に任じられ、さらに文明15年（1483年）には左大臣に昇進し、長享元年（1487年）までその職を務めました。

西園寺実遠は、和歌や書にも秀でており、文化人としての側面も持ち合わせていました。特に和歌に造詣が深く、自らの和歌集である『新菟玖波知集』を著しています。この和歌集は、彼の歌人としての才能を示す貴重な資料となっています。

系譜

父：西園寺公名（1410-1468）
母：広橋兼宣の娘
妻：不詳
男子：西園寺公藤（1455-1512）
* 男子：洞院公連

西園寺実遠は、激動の室町時代において、公卿として政治の中枢に身を置きながらも、文化の発展にも貢献しました。彼の残した足跡は、日本の歴史と文化において重要な意味を持っています。

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