西園寺寛季

西園寺寛季（さいおんじ ひろすえ）は、江戸時代後期の公卿として知られています。二条治孝の三男として生まれましたが、西園寺家に後継者がいなかったため、西園寺賞季の養子となり、西園寺家33代当主となりました。

寛政6年（1794年）に叙爵し、清華家の当主として順調に昇進を重ね、寛政10年（1798年）には従三位となり公卿に列しました。文化3年（1806年）から文化9年（1812年）にかけてと、文政3年（1820年）から天保3年（1832年）の二度にわたり権中納言を務めました。

しかし、天保3年（1832年）に46歳で突然出家し、以降は朝廷に出仕することはありませんでした。その理由については詳しい記録は残っていません。

寛季には治季という唯一の子がいましたが、父に先立ち文政9年（1826年）に亡くなっています。治季の死後、その子である師季が生まれますが、幼少であったため、有栖川宮韶仁親王の王子を養子に迎え、西園寺公潔として西園寺家を相続させました。その後、公潔が天保7年（1836年）に19歳で亡くなったため、治季の実子である師季が改めて西園寺家を相続することとなりました。

系譜

父：二条治孝
母：徳川宗翰次女・翰子
養父：西園寺賞季
妻：大谷等子 - 大谷光暉の娘
継室：正親町八千子 - 正親町公明娘
男子：西園寺治季
生母不明
4男：西園寺実文 - 密子であり、民間で育った後に不行跡であるとして義絶。子に生野の変に関与した西園寺実満。
* 養子：西園寺公潔 - 有栖川宮韶仁親王の第四王子

西園寺寛季は、公卿として一定の地位を築きましたが、晩年の出家や後継者問題など、波乱に満ちた生涯を送った人物として知られています。

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