西園寺治季

西園寺治季（さいおんじ はるすえ）は、文化9年（1812年）に叙爵され、その短い生涯の中で急速に昇進を重ねた公卿です。彼は左近衛権少将、左近衛権中将といった要職を歴任し、文政7年（1824年）には従三位に叙せられ、公卿としての地位を確立しました。

しかし、その栄光も束の間、治季は文政9年（1826年）にわずか18歳で急逝しました。父である西園寺寛季に先立つ死は、西園寺家にとって大きな痛手でした。治季の死後、実子の師季が誕生しましたが、まだ幼かったため、家を継ぐことができませんでした。

そこで、白羽の矢が立ったのが、有栖川宮韶仁親王の王子である公潔（きんきよ）でした。公潔は臣籍降下し、西園寺家の養子となることで家督を相続しました。この経緯は、当時の公家社会における家の存続と権力維持の難しさを示唆しています。

西園寺治季の系譜は以下の通りです。

父：西園寺寛季
母：正親町八千子（正親町公明の娘）
妻：不詳
男子：西園寺師季（1826年 - 1851年）
* 養子：西園寺公潔（実父は有栖川宮韶仁親王）

治季の短い生涯は、西園寺家、有栖川宮家、そして臣籍降下といったキーワードを通して、江戸時代後期の公家社会の複雑な人間関係と制度を垣間見ることができる出来事として、記憶されています。彼の存在は、西園寺家の歴史だけでなく、公家社会全体の歴史においても重要な意味を持っています。

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