西堀正弘

西堀正弘の生涯

西堀正弘は、1918年北海道函館市に生まれ、日本の外交官として国際的な舞台で活躍しました。旧制横浜高等商業学校、旧制東京商科大学（現在の一橋大学）で学び、大学在学中の1940年に外交官試験に合格しました。しかし、成績を理由に出世を危惧した西堀は再受験を考えていました。しかし、人事課長の助言を受け、1941年に外務省に入省します。

ハーバード大学留学と太平洋戦争

1941年3月、西堀はハーバード大学に留学しますが、同年12月の真珠湾攻撃によって太平洋戦争が開戦。同じく留学中だった本城文彦と共に、ボストンの移民収容所に収容されます。その後、野村吉三郎駐米大使らとリゾートホテルに抑留され、1942年8月に交換船で帰国しました。帰国後は海軍に入隊し、経理学校で学び、主計中尉に任官しました。その後、アメリカ抑留中に知り合った実松譲大佐の誘いを受け、軍令部情報部アメリカ班に配属され、前線での従軍を免れました。

外交官としてのキャリア

戦後、西堀は外交官としてサンフランシスコ、タイ、ワシントンなどに勤務。アメリカ局北米課長などを経て、ジュネーブ国際機関日本政府代表部特命全権公使に就任します。1968年にはニューデリーで開催された国際連合貿易開発会議に第四委員会代表として参加。1972年にはジュネーブ軍縮委員会大使に就任し、フランスの核実験を非難するとともに、包括的核実験禁止問題の進展を訴えました。1974年にはブカレストで開催された国連世界人口会議に日本政府代表として参加し、人口問題への取り組みを評価する演説を行いました。

その後、国連[[大使]]（常駐代表）を歴任し、退官しました。1991年には勲一等瑞宝章を受章。2006年には叙正三位となりました。

その他の活動

西堀は、外交官としての活動のほか、原子力委員会委員、財団法人日本国際連合協会専務理事なども務めました。

晩年

西堀正弘は、2006年7月1日、心不全のため東京都世田谷区の病院で死去しました。享年87歳でした。

外務省同期

西堀の同期には、魚本藤吉郎（駐ソ連大使）、内田宏（駐仏大使）、吉野文六（駐独大使）、奈良靖彦（駐加大使）、人見鉄三郎（駐コスタリカ大使）などがいます。

西堀正弘は、激動の時代を生き抜き、国際社会の平和と発展に貢献した外交官でした。

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