西尾忠成

西尾忠成

西尾忠成（にしお ただなり）は、江戸時代前期に活躍した大名です。駿河田中藩の第2代藩主として生まれ、後に信濃小諸藩主、遠江横須賀藩の初代藩主を歴任しました。絵画に才能を発揮し、文化人としても名を残しています。横須賀藩西尾家4代にあたります。

生涯

田中藩主時代

承応2年（1653年）、田中藩の初代藩主である西尾忠昭の長男として誕生しました。翌承応3年（1654年）に父が亡くなったため、わずか2歳で家督を継ぎました。幼少のため、幕府の命により叔父の忠知が後見役となり、5000石を分与したことで、田中藩は2万石の大名となりました。寛文元年（1661年）には将軍徳川家綱に初めて謁見し、寛文7年（1668年）には従五位下、隠岐守に叙任されました。

延宝3年（1675年）に後見役であった叔父の忠知が亡くなると、分与されていた5000石が幕府から返還され、再び2万5000石の大名となりました。延宝7年（1679年）には、信濃小諸への移封を命じられました。

小諸藩主時代

小諸藩では、前藩主である酒井忠能の失政を正すべく尽力しましたが、3年後の天和2年（1682年）には遠江横須賀への移封を命じられました。小諸藩での在任期間は短く、その詳細はあまり知られていません。

横須賀藩主時代

天和2年（1682年）、遠江横須賀に移封されました。同年、幕府から見付宿での朝鮮通信使の饗応役を命じられています。横須賀藩では、城下町の整備に尽力し、近世的な都市としての基礎を築きました。しかし、宝永4年（1707年）の宝永地震によって横須賀湊が塞がるなどの災害に見舞われました。藩政に尽力した忠成でしたが、晩年は災難に見舞われたようです。

正徳3年（1713年）7月23日、四男の西尾忠尚に家督を譲り隠居し、同年10月13日に江戸外桜田にて61歳で生涯を閉じました。

人物

西尾忠成は、藩主としての才能だけでなく、絵画にも秀でた文化人でした。その作品は現在に伝えられていませんが、当時の記録から文化的な素養が高かったことが伺えます。激動の時代を生き抜き、各藩の発展に貢献した人物として評価されています。

系譜

父母
父：西尾忠昭
母：松平伊昌の娘

正室
丹羽光重の娘

側室
小沢氏
小畠氏

子女
四男：西尾忠尚（生母：小沢氏）
* 五男：酒井忠告（生母：小畠氏）

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