西川傳右衛門

西川傳右衛門（にしかわ でんえもん）は、江戸時代から明治時代にかけて、蝦夷地（現在の北海道）に進出した近江商人として知られる一族の名称です。本拠地である近江では「松前屋」、蝦夷地では「住吉屋」の屋号を掲げていました。この名は、歴代の当主が受け継いだもので、その歴史は以下の通りです。

西川宇右衛門（市往右兵衛尉吉久）: 西川家の初代。
西川右兵衛義重（吉春）: 宇右衛門の後を継ぎました。
西川傳右衛門 (初代) 昌隆: 寛永4年（1627年）生まれ、宝永6年（1709年）没。西川義重の次男で、分家して西川傳右衛門家を興しました。
西川傳右衛門 (2代) 昌興: 延宝6年（1678年）生まれ、元禄15年（1702年）没。
西川傳右衛門 (3代) 昌奉: 天和2年（1682年）生まれ、宝暦5年（1755年）没。2代昌興の弟。
西川傳右衛門 (4代) 昌福: 正徳5年（1715年）生まれ、寛政11年（1799年）没。2代西谷善九郎の次男。
西川傳右衛門 (5代) 昌康: 宝暦4年（1754年）生まれ、文政8年（1825年）没。
西川傳右衛門 (6代) 昌房: 明和2年（1765年）生まれ、文政7年（1824年）没。
西川傳右衛門 (7代) 昌順: 寛政6年（1794年）生まれ、天保7年（1836年）没。岸部傳七より養子に入りました。
西川傳右衛門 (8代) 昌廉: 文政9年（1826年）生まれ、弘化2年（1845年）没。
西川傳右衛門 (9代) 昌武: 天保4年（1833年）生まれ、文久2年（1862年）没。
西川貞二郎 (10代): 安政5年（1858年）生まれ、大正13年（1924年）没。井狩只七の次男。

西川傳右衛門家は、本家である西川右兵衛家から分かれ、さらにいくつかの分家を輩出しました。これらの分家を含めた一族は、近江商人として、また蝦夷地における交易を通じて、大きな影響力を持っていたと考えられます。

西川右兵衛家: 本家。
西川長右衛門家: 初代傳右衛門の兄が興した家。
西川傳兵衛家: 初代傳右衛門の弟が興した家。
西川善六家: 傳右衛門家からの分家。
西川吉輔: 一族の一人。
西川喜六家: 傳右衛門家からの分家。

西川傳右衛門家は、近江商人の代表的な存在として、その足跡を蝦夷地の開拓と発展に刻みました。彼らの活動は、単なる商業活動にとどまらず、文化の交流や地域の発展にも貢献したと考えられています。その歴史は、近江商人全体の活動を理解する上でも重要な意味を持っています。

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