西川右近

西川 右近 - 日本舞踊の偉人

西川 右近（にしかわ うこん、1939年6月4日 - 2020年12月12日）は、名古屋西川流の三世家元であり、舞踊家としての豊かな人生を歩みました。本名は近藤雅彦で、愛知県名古屋市に生まれました。彼の活動と業績は、日本の伝統芸能の領域で特に重要な位置を占めています。

幼少期と初舞台

右近は1939年に生まれた長男として、舞踊の世界に早くから足を踏み入れました。3歳のころにはすでに初舞台を経験し、彼の才能は早くから芽生えていました。1956年には名古屋西川流名取として「西川右近」という名を受け、正式に舞踊家としての道を歩き始めます。

名古屋西川流三世家元として

1983年、父である二世西川鯉三郎の死去を受けて、名古屋西川流の三世家元を継承しました。しかし、家元の地位を引き継いでからは流派内で内紛が起こり、1985年には実姉の西川左近との間で絶縁を発表しました。これが報じられたことで、マスコミは騒然となり、彼の名が広く知られるきっかけとなりました。左近は東京で「西川流鯉風派」を設立し、分裂が進む中で、右近は流派のガイド役としての役割を果たしました。

1985年には財団法人西川会（現在の一般財団法人西川会）を設立し、理事長に就任。その後も多くの公演や舞台を企画し、運営していきました。

健康と教育活動

1992年には、心筋梗塞で緊急入院するも、持ち前の不屈の精神で復帰。2004年には湯浅景元と共に舞踊と健康を融合した「NOSS」を開発し、多くの人々に健康的なライフスタイルの提案を行いました。また、2010年には東京国際大学で客員教授として教育の場にも関与しました。

引退とその後

2014年に、第67回「名古屋をどり」をもって家元を引退し、それ以降は名古屋西川流の総師として流派の指導を続けました。長男の西川千雅が四世家元を継承し、長女や次女も家元の補佐役として活躍しており、右近が築いた流派の基盤は今もなお健在です。

最後の日々

2017年には妻の八重子が逝去し、右近の人生には寂しさが増していきました。2020年には急性心不全により、自宅にて亡くなりましたが、81年の生涯の中で培った文化と芸術への貢献は今後も多くの人々に影響を与え続けることでしょう。

受賞歴と出版物

右近はその業績により、1962年に名古屋演劇ペンクラブ賞、1982年には愛知県文化選奨文化賞、2001年には文部科学大臣賞を受賞しました。さらに、彼は多くの書籍を著しており、『日本舞踊舞踊劇選集』や『7分のおどりで筋力強化！日舞エクササイズ「NOSS」のすべて』など、舞踊に関する幅広い知識と実践的アプローチを提供しています。

まとめ

西川右近は、日本舞踊界において非常に重要な人物であり、その活動は伝統の継承だけでなく、現代の健康と文化の融合にまで広がっています。彼の人生と業績は、未来の世代にとっても大きなインスピレーションとなることでしょう。

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