西新駅 (国鉄)

西新駅：筑肥線の歴史と変遷

1925年（大正14年）6月15日、北九州鉄道によって「西新町駅」として開業した西新駅は、現在の福岡市早良区昭代3丁目に位置していました。現在の地下鉄西新駅から南西へ約1.2km離れた場所であり、当時、西新地区からはやや離れた位置にありました。福岡市編入前は早良郡早良町に属し、1975年3月1日から1982年5月9日までは西区に含まれていました。

1937年（昭和12年）10月1日、国有化に伴い筑肥線の一部となり、「西新駅」に改称されました。その後、1983年（昭和58年）3月22日、地下鉄1号線（現・福岡市地下鉄空港線）と筑肥線の相互直通運転開始に伴い、筑肥線博多駅～姪浜駅間が廃線となったため、西新駅も廃止となりました。興味深いことに、地下鉄西新駅が開業したのは1981年（昭和56年）7月26日です。つまり、国鉄の西新駅と地下鉄の西新駅は約1年8ヶ月間、共存していたことになります。ただし、両駅は場所が全く異なり、約1.5km離れていました。

駅の構造と利用状況

西新駅は、タブレット閉塞方式による単線路線の交換駅で、島式ホーム1面2線の構造でした。ホームの端には、1961年（昭和36年）に駅員たちが私財を投じて造られた、ソテツ、ツゲ、ツツジの庭園がありました。駅舎は開業から廃止までトタン葺きの木造平屋でしたが、老朽化が進んでいました。

1974年（昭和49年）頃の1日あたりの利用客は約3,000人。筑肥線内では、筑前前原駅、筑前高宮駅、鳥飼駅、今宿駅に次ぐ5番目の利用客数を誇っていました。このうち、定期乗車券利用客は約1,800人で、その3分の2は近隣の福岡県立福岡工業高等学校の生徒でした。原団地、室住団地、星の原団地などの大規模団地からの利用もありましたが、西鉄バスとの競合もあり、旅客利用は多くありませんでした。

むしろ、小荷物の取り扱いが盛んで、博多人形の工場や高取焼の窯元からの発送も多く、1日あたりの取扱個数は約300個、お盆や年末には約500個に達していました。

駅周辺とその後

1974年頃、駅周辺は西新地区とは対照的に田園地帯が広がり、九州電力の福岡西営業所と単身寮しかありませんでした。しかし、その後は急速に市街地化が進み、市営団地や国鉄西新アパートなどが建設され、多くの民家が建ち並ぶようになりました。西新地区や早良区の高等学校の最寄り駅だったため、駅前には通学用の自転車が数多く駐輪されていました。

駅周辺には、福岡市立高取小学校、紅葉八幡宮、祖原公園、福岡県立福岡工業高等学校などがありました。

駅廃止後、駅跡地はしばらく西鉄バスの折り返し所として利用されていましたが、後に藤崎まで路線が延長されたため、資材置き場となりました。現在は、JR九州に継承され、東部はJR九州リテールが運営するファミリーマート早良昭代3丁目店とドラッグイレブン高取店、JR九州グループのアフタースクール、西部はJR九州グループが運営する老人ホーム「SJRプレシア高取」になっています。また、駅東隣にあった国鉄昭代町官舎もJR九州に継承されましたが、2020年頃に取り壊され、高層マンションが建設されました。

隣の駅

日本国有鉄道筑肥線
鳥飼駅 - 西新駅 - 姪浜駅

1941年までは、西新駅と姪浜駅間に筑前庄駅が存在していました。

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