西村勝三

西村勝三

西村勝三（にしむら かつぞう、1837年1月15日（天保7年12月9日） - 1907年（明治40年）1月31日）は、幕末から明治時代にかけて活躍した日本の実業家です。

生涯

佐野藩（現在の栃木県佐野市）にて、藩士の家に生まれました。幼少の頃から藩校で学びましたが、長崎海軍伝習所への入学は叶わず脱藩しました。

1865年、日本橋に鉄砲店を開業し、伊勢屋勝三と改名。その後、横浜にも出店し事業を拡大します。1870年からは軍用靴製造のために製革・製靴事業に着手。さらに1871年には、東京築地にてメリヤス（靴下）製造業を開始しました。

1872年には、日本初のクラブと言われる「ナショナルクラブ」を築地に開設し、交流の場を提供しました。1875年、耐火煉瓦製造業にも進出。晩年は苦難の連続であったようですが、初期の洋服職人が洋裁技術を修得したと推定される裁縫師ローマンを招き、日本の近代化に大きく貢献しました。

1907年、盲腸炎により72歳で逝去。墓所は東海寺大山墓地にあります。

功績

西村勝三は、以下の事業の発展に貢献しました。

洋服: 洋裁技術の導入
メリヤス: 国産メリヤス製造の確立
製革・製靴: 軍用靴製造、株式会社リーガルコーポレーションの創業者
耐火煉瓦: 品川白煉瓦の創業、窯業、硝子業の発展の礎を築く
ニット工業機械編: ニット工業機械編の創始者

これらの事業を通じて、日本の産業発展に大きく貢献しました。

家族

西村勝三には、多くの子どもたちがいました。

娘・とく - 夫の八十島親徳は渋沢栄一秘書。
娘・よし - 夫の佐藤敏夫は東京慈恵会医科大学耳鼻咽喉科教授
二男・譲 - 馬越恭平の兄河野呈輔の養子となる。
四男・直 - 株式会社ニッカトー創業者。西園寺亀次郎の娘婿。
娘・淑 - 夫の石丸一は画家。

四男の直は、家業を継ぎ、ニッカトーを創業しました。

参考資料

『西村勝三翁伝』西村勝三翁伝記編纂会編
『靴の発展と東京靴同業組合史』間宮英一
『日本莫大小史』藤本昌義
『品川白煉瓦　創業100年史』品川白煉瓦
* 『ニッピ八十五年史. 上巻』(株)ニッピ

西村勝三は、日本の近代化に貢献した偉大な実業家として、その名は記憶されるべきでしょう。

もう一度検索