西松任駅

IRいしかわ鉄道線に位置する西松任駅（にしまっとうえき）は、石川県白山市北安田町に所在します。この駅は、北陸新幹線が金沢から敦賀まで延伸されたことに伴い、並行する在来線がIRいしかわ鉄道へ移管された2024年（令和6年）3月16日に新たに営業を開始しました。

概要

西松任駅は、隣接する松任駅からはおよそ1.9キロメートル、加賀笠間駅からは約2.5キロメートル離れた地点にあります。特に、北陸新幹線の車両基地である白山総合車両所が駅のすぐ近くに位置しているのが特徴です。

駅設置の経緯

西松任駅の設置計画は、地域の交通利便性の向上を図ると同時に、周辺で行われる新たなまちづくりと連携して進められました。駅設置に向けた具体的な動きは、2020年（令和2年）2月20日に白山市地域公共交通協議会がその計画を承認したことから始まります。翌年の2021年（令和3年）4月27日には、北陸信越運輸局より正式な設置認可が得られました。

新駅の整備は、周辺地域で進行していた白山市松任北安田南部地区の土地区画整理事業と密接に連携して計画されました。地域の発展に寄与することが期待されたこの事業の推進にあたっては、白山市地域公共交通協議会が主体となり、国の幹線鉄道等活性化事業費補助（形成計画事業）を活用するとともに、国（鉄道・運輸機構経由）や地方自治体からの補助金が主な財源となりました。

駅名については、2021年（令和3年）10月28日から同年11月30日まで一般公募が行われました。集まった候補の中から、市内の小学校へのアンケート結果や鉄道事業者の意見なども考慮に入れ、駅名等候補選定会議での検討を経て、2022年（令和4年）3月8日に正式に「西松任駅」という名称が決定されました。そして、北陸本線の経営がIRいしかわ鉄道へ移管される2024年（令和6年）3月16日、開業を迎えました。

駅名の由来

駅名の「西松任」は、前述の通り一般からの公募によって選ばれました。公募期間中に寄せられた多数の意見の中から、総合的な判断によって決定されたものです。公募で得票数の多かった候補の中では、「白山駅」（113件）、「加賀白山駅」（47件）に次いで3番目（36件）の得票数でしたが、所在地の地名や方角、隣接駅との位置関係などが考慮され、採用に至りました。

駅構造と設備

西松任駅は地上に設置された駅舎を持ち、相対式ホームが2面2線配置されています。これは、線路を挟んでホームが向かい合う構造で、通常、両側のホームに列車が停車できます。ホームの長さは、最大で6両編成の列車に対応できるよう、130メートルが確保されています。

駅の利用者が安全かつ円滑に移動できるよう、バリアフリー設備も整備されており、各ホームにはエレベーターが設置されています。駅舎内の設備としては、自動券売機と列車待ち合いのための待合室が設けられていますが、これらは下り線（金沢方面）のホーム側にのみ設置されています。

利用状況とダイヤ

西松任駅が開業した時点での利用状況については、1日あたり約1,870人の乗降客数が見込まれています。これは、駅周辺の開発状況や、近くに位置する白山総合車両所への通勤・通学などの需要を考慮した予測値です。

開業時の時刻表によると、IRいしかわ鉄道線で運行される普通列車が停車します。具体的な停車本数は、金沢方面へ向かう下り列車が1日44本、福井方面へ向かう上り列車が45本です。IRいしかわ鉄道線には、普通列車の他に快速列車も運行されていますが、快速列車は西松任駅には停車せず通過扱いとなります。

駅周辺

駅の周囲には、北陸新幹線の車両が検査・修繕などを受ける重要な施設である白山総合車両所が広がっています。また、比較的近い距離には、食料品店や衣料品店などが入居する商業施設のイータウン白山があり、生活必需品の購入などに便利です。

さらに、広大な敷地を持つ松任総合運動公園もアクセス可能な場所にあり、様々なスポーツ施設やレクリエーション施設が利用できます。白山市役所も駅からのアクセス圏内に位置しています。

隣接駅

IRいしかわ鉄道線における西松任駅の隣の駅は以下の通りです。

• - 金沢方面：加賀笠間駅
• - 福井方面：松任駅

前述の通り、IRいしかわ鉄道線の快速列車は当駅を通過します。停車するのは普通列車のみです。

もう一度検索