西武351系電車

西武351系電車

西武351系電車は、かつて西武鉄道で運行されていた通勤用の電車です。本電車は、戦後初の新型車両である501系の制御電動車に起源を持ち、これに基づいて新たな形式として発展しました。

概要

351系は、1954年から1956年にかけて新製された501 - 519編成の一部を改めて設定された編成であり、初期の501系は17m級の車体を持ち、中間付随車が20m級という不整合な長さを持っていましたが、521編成以降はすべて20m級車体に統一されました。その後、旧501 - 519編成の車両も統一規格に置き換えられ、最終的にモハ501 - 520はクモハ351形（2代）として改称されました。

主要機器

この系列の車両では、主電動機としてMT15系が使用され、台車にはTR14Aが装備されています。これらは他の西武鉄道の車両からの転用や自社ストックを利用したものです。制御器は国鉄の電空カム軸式CS5が搭載されており、独立した走行が可能な仕様が整えられていました。

変遷

351系は、編成替えを経て、1964年に形式記号がクモハに変更されました。その後、411系の新製に伴い、再び351系へと改称されました。編成相手としては、当初のサハ1501形が後にクハ1411形に変更され、同系列と組成されました。

改造の歴史

1960年代半ばからは、標準塗装の改変が行われ、二色塗りの形式が主流となりました。また、一部車両では主電動機が更新され、故障が少ないことを受け、他の車両にも流用が行われました。それ以外にも、1968年からは車両の老朽化が進行し、屋根や扉などの修理が実施されました。

運用の変化

351系は、比較的小型の17m級車体という特性から、101系の導入に伴い徐々に本線系統から外れ、最終的には多摩湖線へと転用されました。1970年代には、多摩湖線専用の編成として一部が編成替えされ、運用されることとなります。

淘汰と引退

一方、残る多くの351系は1980年にまでに廃車されましたが、特に351 - 355編成は多摩湖線専用として生き残り運用が続けられました。しかし、新たなホームの施工が進むにつれ、これらの存在意義は薄れ、1990年には全車廃車され、この形式は消滅を迎えることとなりました。

譲渡及び保存

廃車された351系の車両は、一部が大井川鉄道や上毛電気鉄道に譲渡され、旧形式のまま運用されました。また、保存車両としてクモハ355が横瀬車両基地で静態保存され、イベント時には一般公開されるなどして、鉄道ファンに親しまれています。廃車となった車両の中には、当時の西武鉄道の栄光を伝える貴重な存在としての価値が見出されています。

参考文献

• - 東京工業大学鉄道研究部 『私鉄電車ガイドブック3 西武・京王・小田急・東京モノレール』
• - 西尾恵介・井上広和 『日本の私鉄2 西武鉄道』
• - 町田浩一 『6 西武鉄道』
• - 鉄道ピクトリアル 各号

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