西田信一

西田信一の生涯と業績

西田 信一（にしだ しんいち）は、1902年10月15日に北海道空知郡岩見沢町で生まれました。彼の家族は鉄道員の父、西田栄次郎を持ち、両親ともに富山県からの移住者でした。幼少期を岩見沢で過ごした彼は、高等小学校を卒業後、郵便局員や鉄道員としての職業経験を積みました。そして札幌工業学校に進学し、1924年に卒業。その後、苫小牧工業学校の助教諭を経て、苫小牧町役場に入庁しました。

役場職員としての仕事を行う一方で、王子製紙アイスホッケー部のコーチを務め、1932年には全日本選手権大会で初出場・初優勝という偉業を達成しました。1946年には苫小牧町の4代目町長に就任し、町の発展に寄与します。その後、1947年に北海道議会議員に当選し、2期8年間の任期中には、田中敏文の革新道政批判の先頭に立ちました。

1956年、元の地元代議士の支援を受けて自由民主党公認を得て、参議院選挙に挑戦。見事当選を果たし、以後連続3回当選します。党内ではさまざまな派閥に所属し、行政管理政務次官や党副幹事長などの役職を歴任しました。特に1972年には札幌オリンピック誘致に力を尽くしました。

1970年の第3次佐藤内閣では国務大臣として入閣。科学技術庁長官、北海道開発庁長官、原子力委員長などの多くの役職を兼任しました。科技庁長官としては、海洋科学技術センター法案を成立させるなど、多くの業績を残しました。しかし1974年の参院選での落選を受け、政界から引退します。

また、苫小牧町職員時代から推進した苫小牧港と苫小牧東部工業港の建設に尽力し、苫小牧市が港湾・工業都市として発展する礎を築きました。自身も1960年に苫小牧埠頭を設立し、社長として地域の有力企業に成長させました。スポーツの分野でも活躍し、2018年には日本選手団長を務めるなど、日本スケート連盟副会長や北海道アイスホッケー連盟会長など要職を歴任しました。

1972年、彼は秋の叙勲で勲一等瑞宝章を受章。1988年には北海道苫小牧市から名誉市民の称号を授与されます。西田は2003年4月10日に心不全により100歳で死去しました。没後には従三位に叙せられました。

逸話と特異な業績

西田は学生時代に心臓肥大症にかかり、その療養のためにアイススケートに取り組み、大きな改善を見せました。この出来事がきっかけで彼はウィンタースポーツとの関わりを深めていきました。

党の長官として予算折衝の際には、先進国の科学技術予算の比率を示すグラフを作成し、日本の予算が低いことを印象づけて、前年対比で40%増の予算を獲得する成果を上げました。

このように、西田信一は政治家としてだけでなく、地域発展やスポーツに貢献した多才な人物でした。

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