西田長男

西田長男（にしだ ながお、1909年3月31日 - 1981年3月28日）は、三重県出身の神道学者で、國學院大學の名誉教授を務めました。國學院大學を卒業後、宮地直一に師事し、神道研究の道を歩み始めました。

西田は、戦前には大倉精神文化研究所の研究員として、また東京帝国大学の講師として教鞭を執りました。戦後は國學院大學に戻り、教授として後進の指導に尽力しました。1955年には、「日本宗教の発生に関する一試論」で國學院大學から文学博士号を授与されました。彼の研究は、日本の神道史における重要な貢献とされています。

西田の著作は多岐にわたり、『葉隠講話』、『神道史の研究』、『神道論』、『神々と国家』など、神道に関する深い考察がなされたものが数多くあります。特に『日本神道史研究』全10巻は、彼の神道研究の集大成とも言えるもので、古代から近世までの神道史を網羅的に扱っており、神道研究における重要な文献として評価されています。

また、西田は共同研究や校訂にも携わっており、『神道の宇宙 魂のコスモグラムに遊星的郷愁を求めて』や『神々の原影』といった共同著作があります。さらに、大山為起の『氏族母鑑』や『中臣秡・中臣秡抄』といった古典の校訂も行っており、古典研究にも深い造詣があったことが伺えます。

西田の業績を称え、没後には『神道及び神道史 西田長男博士追悼論文集』が刊行されました。彼の研究は、現代の神道研究においても重要な基礎となっており、その学術的な貢献は多大なものと言えるでしょう。

主な著書は以下の通りです。

『葉隠講話』有精堂出版部　1942
『神道史の研究』雄山閣　1943
『神道論』躬行会・大倉精神文化研究所紀要　1943
『神々と国家』明世堂　1944
『日本古典の史的研究』理想社　1956
『日本宗教思想史の研究』理想社　1956
『神道史の研究 第2』理想社　1957
『古代文学の周辺』南雲堂桜楓社　1964
『神社の歴史的研究』塙書房　1966
『日本神道史研究』全10巻　講談社、1978-79
第1巻 (総論編)
第2-3巻　古代編
第4-5巻　中世編
第6-7巻　近世編
第8-9巻　神社編
第10巻 (古典編)

共著

『神道の宇宙 魂のコスモグラムに遊星的郷愁を求めて』高橋秀元共著　工作舎 1980 プラネタリー・ブックス
『神々の原影』三橋健共著　平河出版社 1983

校訂

大山為起『氏族母鑑 22巻』伏見稲荷大社　1957
『中臣秡・中臣秡抄』叢文社　1977　吉田叢書

記念論集

* 『神道及び神道史 西田長男博士追悼論文集』国学院大学神道史学会編　名著普及会　1987

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