西美濃三人衆

美濃三人衆の概要

美濃三人衆（みのさんにんしゅう）とは、戦国時代において美濃斎藤氏に仕えた家臣団であり、主に稲葉良通、安藤守就、氏家直元の三人を指します。このように呼ばれるようになったのは、織田信長に従った後のことであり、先に存在した三好三人衆を意識した名称とされています。美濃三人衆は西美濃三人衆とも呼ばれることがありますが、それは彼らの居城や領地の地理的な位置に由来します。

三人衆の背景

三人衆の歴史は比較的古く、彼らは数代にわたって美濃に住み、土岐氏に仕官してきました。その後、土岐氏の衰退に伴い斎藤氏に仕官を移し、戦国時代においてその地位を固めました。永禄年間、織田信長が美濃を攻めた際には、斎藤義龍の家老として存在感を示しています。具体的な記録としては、『村上文書』や『美濃明細記』、さらには『信長公記』が残されています。

織田信長との関係

永禄10年（1567年）8月1日、三人衆は斎藤氏からの離脱を決定し、織田信長の下に襲名しました。『信長公記』には、彼らが信長に従ったことが記録されています。また、同年には信長から河西の土地に関する税金の一部を三人衆に分け与えられたことがあり、これは彼らが斎藤氏に対する反逆を行ったことへの報酬と理解されています。三人衆は、永禄11年（1568年）9月には早速信長の上洛に参加し、以降、数多くの戦争にも参与しました。

戦の行方と消滅

1571年には長島一向一揆の討伐戦が行われ、その際に氏家直元が戦死します。直元の死後、彼の息子がその後を受け継ぎましたが、天正8年（1580年）8月には安藤守就が信長の命令により追放され、これをもって美濃三人衆はその活動を終えることになります。守就の追放には、信長が嫡子に美濃および尾張の軍団を整備させる意図があったことも影響し、守就の存在は信長にとって好ましくないものでした。この消滅の背景には、過去の敵であった彼の影響が、信長の平和な統治を妨げる恐れがあったとも指摘されています。

本能寺の変とその後

天正10年6月の本能寺の変の後、稲葉良通はかつての仲間である安藤守就や安藤尚就を討伐する戦に出ています。これにより、三人衆の縁がさらに複雑化し、彼らの運命は新たな局面を迎えました。

参考文献

• - 宮本義己「稲葉一鉄の医道知識と薬方相伝」『國學院大學大學院紀要』5輯、1973年。
• - 宮本義己「美濃三人衆の去就―織田信長の美濃経略―」『歴史手帳』6巻1号、1978年。
• - 吉田義治「織田政権成立過程における美濃武士団―西美濃三人衆の動向を中心に―」『岐阜県歴史資料館報』25号、2002年。
• - 吉田義治「美濃戦国武将の一断面―稲葉一鉄の文事的素養―」『岐阜県歴史資料館報』28号、2005年。

関連項目

• - 稲葉氏
• - 安藤氏
• - 氏家氏
• - 不破氏
• - 長井氏
• - 日根野氏
• - 竹腰氏

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