西船場ジャンクション

概要

西船場ジャンクション（にしせんばジャンクション）は、大阪府大阪市西区および中央区にまたがる阪神高速道路の重要な結節点です。ここでは、都心部を巡る1号環状線、東方面へ向かう13号東大阪線、そして大阪港方面へ伸びる16号大阪港線の計3路線が接続されています。

かつて阪神高速道路公団の時代には「西横堀インターチェンジ」とも呼ばれることがありましたが、これは正式な名称ではなく、現地に標識などもなかったため呼称が定まっていませんでした。この状況を整理するため、2009年 6月8日に現在の「西船場ジャンクション」という名称が正式に定められました。

信濃橋渡り線の開通

このジャンクションにおける長年の課題の一つに、16号大阪港線から1号環状線の北行き方面（神戸や関西空港方面への接続ルートとなる3号神戸線・5号湾岸線・4号湾岸線方面）へ直接アクセスする経路が存在しなかった点がありました。利用者は一度東船場ジャンクションまで進み、1号環状線の南行きに入って環状線を大きく半周する必要があり、非効率な迂回を強いられていました。

阪神高速道路株式会社は、この不便さを解消するため、新たな接続線「信濃橋渡り線」（仮称）の建設計画を進めました。当初は2014年度の完成を目指していましたが、計画ルートの隣接地に建っていた旧大阪銀行本店ビルが支障となり、建設を進めることが困難になりました。

状況が動いたのは、旧大阪銀行本店の後身である近畿大阪銀行本町営業部が2004年に移転した後のことです。跡地に建設されたオリックスの大阪本社ビルが、必要な公開空地を設けて建てられたため、新たな接続線の建設が可能となりました。これにより、2011年11月9日には「信濃橋渡り線」として正式に事業が許可され、計画は具体化しました。工事を経て、2020年 1月29日に念願の信濃橋渡り線が開通しました。これにより、16号大阪港線から1号環状線北行きへの直接的なアクセスが可能となり、利用者の利便性が大幅に向上しました。

信濃橋渡り線からの合流交通量が相当数見込まれることから、1号環状線の西船場ジャンクションから土佐堀出口の間においては、開通に合わせて1車線が増設され、合計5車線構造となりました。

歴史

西船場ジャンクションおよびその周辺路線の歴史は以下の通りです。

1964年（昭和39年）6月28日：阪神高速1号環状線の土佐堀から湊町までの区間が開通し、現在のジャンクションがある場所を含む路線網の基礎が築かれました。
1970年（昭和45年）3月8日：阪神高速13号東大阪線の西横堀（現：西船場）から法円坂までの区間が開通したことにより、当ジャンクションが供用を開始し、1号環状線と13号東大阪線が結ばれました。
1974年（昭和49年）2月20日：阪神高速16号大阪港線の西横堀（現：西船場）から本田までの区間が開通。これにより16号大阪港線が接続され、ジャンクションは現在の十字型の接続形態となりました。
2009年（平成21年）6月8日：非公式な呼称であった「西横堀インターチェンジ」に代わり、「西船場ジャンクション」という正式名称が定められ、名称が整理されました。
2020年（令和2年）1月29日：16号大阪港線から1号環状線北行きへの新たな接続路である「信濃橋渡り線」が開通し、ジャンクションの機能が強化されました。

接続路線と隣接施設

西船場ジャンクションで接続する各路線と、周辺の出入口・ジャンクションは以下のようになっています。

阪神高速1号環状線
(1-02) 四ツ橋入口 - (1-03) 信濃橋出口 - 西船場JCT - (1-03) 信濃橋入口 - (1-04) 土佐堀出口
阪神高速13号東大阪線
西船場JCT - 東船場JCT - (13-01) 法円坂出入口
阪神高速16号大阪港線
西船場JCT - (16-01) 阿波座出入口

西船場ジャンクションは、これら3路線の接続点として、大阪市内の高速道路ネットワークにおいて中心的な役割を果たしています。特に信濃橋渡り線の開通は、広域的な交通の流れを改善する上で大きな意味を持つ改良となりました。

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