西閉伊郡

西閉伊郡の概要

西閉伊郡（にしへいぐん）は、1879年に発足した岩手県の行政区画であり、現在の遠野市全域に該当します。ここではその歴史や行政の変遷について詳しく説明します。

郡域の成立

西閉伊郡は、明治12年（1879年）に設立されました。郡が発足する前の幕末時点では、全体が盛岡藩の領地であり、陸奥国に属していました。発足当初の郡域に含まれていたのは、横田村、白岩村、光興寺村など44の村でした。これらの村は、後の町村制施行に伴って、様々な形で統合されていきます。

明治初年の変遷

明治元年には、陸奥国が分割され、郡の地域は陸中国に所属することとなります。盛岡藩は戊辰戦争の結果、領地を失い、一部の地域は信濃松本藩の管轄となりました。多くの村が信濃松代藩の管轄下に置かれ、最終的に盛岡県（第一時）へと再編成されました。この期間、郡内の村は次第に統合され、明治4年には盛岡県の管轄下に入り、続いて明治5年に岩手県と改称されました。

郡の発足以降

明治11年（1878年）には、郡区町村編制法の施行に伴い、正式に閉伊郡が発足しました。そして新たに設けられた西閉伊郡は、翌年の1月に分割され、横田村など34の村を区域として郡役所が横田村に設置されることとなりました。これにより、行政の基盤が整いました。

町村制の施行

1889年4月1日、町村制が施行されると、以下の町村が新たに設立されました。これらは全て現在の遠野市にあたります。

• - 遠野町（横田村が単独町制）
• - 綾織村 (上綾織村、下綾織村、釜石村、新里村、鵢崎村)
• - 小友村（単独村制）
• - 鱒沢村（上鱒沢村、下鱒沢村）
• - 宮守村（上宮守村、下宮守村）
• - 松崎村（松崎村、駒木村、白岩村、光興寺村）
• - 附馬牛村（上附馬牛村、下附馬牛村、東禅寺村、安居台村）
• - 土淵村（土淵村、柏崎村、山口村、栃内村、飯豊村）
• - 青笹村（青笹村、糠前村、中沢村）
• - 上郷村（板沢村、来内村、細越村、佐比内村、平倉村、平野原村）

郡の廃止

1897年4月1日には郡制が施行され、南閉伊郡と統合される形で上閉伊郡が発足し、同時に西閉伊郡は廃止されました。

まとめ

西閉伊郡は、岩手県の歴史の中で重要な位置を占めた行政区画であり、その発展と変遷は地域の歴史を映し出しています。現在の遠野市となる部分には多くの伝統や文化が根付いており、郡としての歴史的な背景が今もなお地域のアイデンティティの一部となっています。

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