西面武士

西面武士について

西面武士（さいめんのぶし）または西面の武士は、鎌倉時代に後鳥羽上皇に仕官し、彼の身辺を守る役割を果たした武家集団です。その名称の「西面」は、上皇の居所である御所における配置位置に由来しています。この集団の成立は、正治2年（1200年）頃とされ、当時の政治的な背景としては、鎌倉幕府に対抗するために後鳥羽上皇が設立したと考えられています。しかし、創設時から多くの鎌倉幕府の御家人も参加しており、そのため、倒幕の準備のために設立されたという説や、上皇が幕府との関係を持たずに武芸を愛する中で生まれたという見解も存在します。

西面武士は、主に関東や京に住まう御家人を中心に構成されており、西日本の有力な武士たちが多く名を連ねていました。特に、後藤基清や加藤光員、源頼茂などがこの集団に所属していました。興味深いことに、上皇の警護には以前より白河上皇によって結成された北面武士が存在していたものの、西面武士はその名の通り、主に武士のみで構成されていました。

後鳥羽上皇は関係する鎌倉幕府の御家人に命令を下す権限を持っており、建保2年（1214年）の興福寺による強訴事件では、西面武士だけでなく他の御家人にも出動を命じました。また、承久元年（1219年）には源頼茂に対する謀反の疑惑が持たれ、その追討作戦には西面の武士も参加しました。

承久3年（1221年）には、承久の乱において上皇軍として戦いに臨みましたが、わずか1か月ほどで鎮圧されてしまいます。この乱の結果、上皇は配流され、その影響で西面武士も廃止に至りました。

西面武士の著名な在籍者

西面武士に名を連ねた面々は、その後の歴史にも名を馳せる武士たちでした。主なメンバーには以下の人物が含まれます。

• - 河野通政
• - 仁科盛遠
• - 後藤基清
• - 佐々木広綱
• - 加藤光員
• - 土岐光行
• - 藤原秀康（承久の乱において朝廷側の主将として活動）
• - 藤原秀澄（秀康の弟）
• - 藤原秀能（秀康の弟）

このように、西面武士は鎌倉時代において上皇の側に立ち、特に武士としての特性や忠誠心を示してきました。彼らの役割は当時の政治的動向と密接に関連しており、後鳥羽上皇の権力維持のための重要な要素となっていました。また、彼らの活動は、その後の日本の武士文化や政争に大きな影響を与えたと考えられます。

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