後藤基清

後藤基清は、平安時代後期から鎌倉時代初期にかけて活躍した武将であり、御家人です。讃岐国と播磨国の守護を歴任しました。

生い立ちと源頼朝への仕官

『尊卑分脈』によれば、後藤基清は藤原北家、秀郷流の嫡流とされる佐藤義清（西行）の兄弟・佐藤仲清の子で、後藤実基の養子となったとされています。源頼朝に仕え、元暦2年（1185年）の屋島の戦いに参加するなど、武将として活動しました。

頼朝との確執と関係修復

同じく元暦2年、後藤基清は頼朝の許可を得ずに官位を得たことが原因で、頼朝から「目は鼠眼にて、ただ候ふべきのところ、任官希有なり」と激しく非難されています（『吾妻鏡』元暦2年4月15日条）。しかし、翌月には一条能保の護衛として鎌倉へ向かっており、その途中で源義経の家臣である伊勢三郎と揉め事を起こすなど、波乱の多い日々を送っていました（『吾妻鏡』元暦2年5月17日条）。建久元年（1190年）には、頼朝が上洛した際、右近衛大将拝賀の布衣侍7人の内に選ばれて参院の供奉を務めるなど、頼朝との関係も修復された様子が伺えます。

在京御家人としての活動と失脚

京都守護の一条能保の家人として、在京御家人としても活躍しましたが、正治元年（1199年）の三左衛門事件で源通親への襲撃を企てたとして讃岐守護を解任されてしまいます。この事件が、後藤基清の運命を大きく変えることになります。

後鳥羽上皇への接近と承久の乱

失脚後、後藤基清は後鳥羽上皇との関係を深め、西面武士・検非違使となります。建保年間（1213年 - 1219年）からは播磨守護となり、再び要職に就きました。しかし、承久3年（1221年）の承久の乱では後鳥羽上皇方についたため、幕府軍に敗北。この敗北が、後藤基清の人生に終止符を打つことになります。

最期

承久の乱後、後藤基清は幕府方についた子・基綱によって処刑されました。その生涯は、源頼朝、後鳥羽上皇という二人の有力者との関わりの中で、大きく揺れ動いたものでした。

後藤基清の子孫

後藤基清の子孫には、戦国時代の武将である後藤基次（又兵衛）がいます。後藤基次は、大坂の陣で活躍したことで知られています。

脚注

『尊卑分脈』
『吾妻鏡』

関連項目

* 後藤基次

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