西香代子

西 香代子：アニメーションと文学の両分野で活躍する才能

西 香代子氏（1959年3月27日生まれ）は、日本のアニメーション業界において色彩設定者として著名な存在であり、小説家としても成功を収めています。東京都出身の彼女は、日本アニメーションやぴえろといったスタジオに所属した後、1985年に有限会社スタジオトムキャットを設立。その後フリーランスとなり、現在も第一線で活躍を続けています。特にトムス・エンタテインメントやぴえろの作品に多く携わっており、その卓越した色彩設計センスは、多くのアニメーション作品に彩りを与えています。

アニメーションにおける功績

彼女のキャリアは、1982年の『ゲームセンターあらし』の色指定から始まりました。その後も『まんが日本史』『キテレツ大百科』など数多くの作品に参加し、色彩設定者としての経験を積み重ねていきます。代表作として挙げられるのは、『マクロスプラス』や『白鯨伝説』、『名探偵コナン劇場版シリーズ』、『イタズラなKiss』など、幅広いジャンルの作品に及びます。これらの作品において、彼女は色彩設計という役割を通して、作品の雰囲気や世界観を大きく左右する重要な役割を担ってきました。単に色を塗るだけでなく、各シーンの演出意図を汲み取り、緻密な色彩設計によって作品全体のクオリティ向上に貢献しています。OVA作品への参加も多数あり、『イース』、『装甲巨神Zナイト』、『雲界の迷宮ZEGUY』など、多くの作品で色彩設定を担当しました。

小説家としての活動

色彩設定者としての活動と並行して、西氏は小説家としても活動しています。2005年には、アニメーション業界を舞台にした長編小説『いつか逢える日まで』を発表。この作品は、アニメーション制作の裏側や、そこで働く人々の情熱や葛藤をリアルに描き出し、多くの読者から共感を呼びました。現在では文芸社から再版されており、その高い評価は揺るぎないものとなっています。小説以外にも、エッセイストとして執筆活動も行い、多様な表現方法で自身の才能を発揮しています。

代表作品一覧

彼女の参加作品は多岐に渡り、テレビアニメ、OVA、劇場アニメと、様々な形式の作品でその才能を発揮しています。

テレビアニメ:

ゲームセンターあらし (1982年) 色指定
まんが日本史 (1983年-1984年) 色指定
キテレツ大百科 (1987年) 仕上
白鯨伝説 (1997年-1999年) 色彩設計
ルパン三世 EPISODE:0 ファーストコンタクト (2002年) 色彩設計
京極夏彦 巷説百物語 (2003年) 色彩設計
げんしけん (2004年) 色彩設計
ガラスの艦隊 (2006年) 色彩設計
イタズラなKiss (2008年) 色彩設計
しろくまカフェ (2012年) 色彩設計
神様はじめました (2012年) 色彩設計
僕らはみんな河合荘 (2014年) 色彩設計
神様はじめました◎ (2015年) 色彩設計
鬼平 (2017年) 色彩設計


OVA:

イース (1989年-1991年) 色彩設定
装甲巨神Zナイト (1991年) 色彩設計
雲界の迷宮ZEGUY (1993年) 色彩設定
マクロスプラス (1994年-1995年) 色彩設定
からくりの君 (2000年) 色彩設計
Wind -a breath of heart- (2004年) 色彩設計
ルパン三世 GREEN vs RED (2008年) 色彩設定
名探偵コナン 工藤新一 謎の壁と黒ラブ事件 (2008年) 色彩設計


劇場アニメ:

ニルスのふしぎな旅 (1982年) 仕上検査
ウルトラニャン 星空から舞い降りたふしぎネコ (1997年) 色彩設計
ウルトラニャン2 ハッピー大作戦 (1998年) 色彩設計
名探偵コナンシリーズ多数
パルムの樹 (2002年) 色彩設計
劇場版 NARUTO -ナルト- 大激突!幻の地底遺跡だってばよ (2005年) 色彩設計
鬼神伝 (2011年) 色彩設計
劇場版 ハヤテのごとく! HEAVEN IS A PLACE ON EARTH (2011年) OP色指定、OP仕上検査


主な著書:

マッシュくんのふしぎなひろいもの (1995年) 新風舎
いつか逢える日まで (2005年) 新風舎


西香代子氏は、アニメーションと文学という異なる分野で、卓越した才能を発揮し続ける稀有な存在です。彼女の今後の活躍にも期待が高まります。

もう一度検索