西黄寺

西黄寺 (さいこうじ)

西黄寺は、中華人民共和国北京市朝陽区に位置するチベット仏教ゲルク派の寺院です。その名の由来は、屋根瓦が黄色であることに由来します。

歴史

西黄寺は、清の順治9年（1652年）に北京に建設されました。当初は達頼（ダライ）廟と呼ばれていたとされています。西黄寺の東側には東黄寺（旧名：普静禅林、1651年改築）というチベット仏教寺院があり、かつて北京の人々は徳外大街一帯を「双黄寺」と呼んでいました。

翌年、ダライ・ラマ5世が北京を訪問した際、その宿舎として西黄寺が建立され、「清浄化城」と号されました。乾隆44年（1779年）には、パンチェン・ラマ6世が乾隆帝の70歳誕生日を祝うために北京を訪れ、西黄寺に滞在しました。

しかし、咸豊10年（1860年）のアロー戦争の兵火により、西黄寺は一時廃寺となります。光緒26年（1900年）には、東黄寺が義和団の乱の際に八カ国連合軍によって損壊されました。1908年（光緒34年）8月には、ダライ・ラマ13世が西黄寺に滞在しています。1927年、パンチェン・ラマ9世は寺院の「清浄化城塔院」を修復し、1928年に落成しました。中華民国時代には、弾薬庫の爆発により慧香閣が損壊されるという被害も受けました。

1966年、毛沢東が文化大革命を発動すると、紅衛兵によって寺廟などの宗教施設が徹底的に破壊されました。東黄寺は徹底的に取り壊され、何も残らなかったと言われています。

1979年8月21日、北京市人民政府は西黄寺を北京市重点文物保護単位に認定しました。1980年以降、地元政府は寺院の修復を進めています。1983年には、中華人民共和国国務院が西黄寺を漢族地区仏教全国重点寺院に認定。1987年9月には、パンチェン・ラマ10世が中国蔵語系高級仏学院を設立しました。2001年には、中華人民共和国国務院が西黄寺を全国重点文物保護単位に認定しています。

伽藍

西黄寺の主要な伽藍構成は以下の通りです。

山門殿
大殿
牌坊
東西配殿

主な住僧

西黄寺には、以下のような著名な僧が滞在しました。

ダライ・ラマ5世
パンチェン・ラマ6世
ダライ・ラマ13世
パンチェン・ラマ9世
* パンチェン・ラマ10世

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