親朴新党

親朴新党：韓国保守政党の軌跡と現状

親朴新党は、韓国の保守政党であり、朴槿恵元大統領の支持者たちによって結成されました。その歴史、政策、そして現状を詳細に見ていきましょう。

創党と分裂

親朴新党の起源は、朴槿恵元大統領の無罪釈放を訴えるウリ共和党にあります。元自由韓国党（旧セヌリ党）所属で、朴槿恵政権下で活躍した洪文鐘氏が、党内における対立や朴槿恵氏に対する見解の相違などを理由に、2019年に自由韓国党を離党。その後、大韓愛国党（後にウリ共和党と改称）を結成し、共同代表に就任しました。しかし、党運営を巡る内紛が激化し、2020年に洪文鐘氏はウリ共和党から除名。この事態をきっかけに、洪文鐘氏は同調する親朴派勢力を集結させ、親朴新党を創設しました。

選挙での敗北と衰退

2020年4月に行われた韓国の第21代総選挙において、親朴新党は議席を獲得することができず、惨敗を喫しました。この結果、親朴新党は事実上、政治的な影響力を失うこととなり、国会においてもその存在感は希薄になりました。他の親朴系政党も同様の結果に終わり、韓国の政治において「極右」と見なされる親朴派勢力は、議会から姿を消すこととなりました。

対外政策：日本への友好的姿勢と日米韓同盟

親朴新党は、韓国の政党の中でも比較的日本に対して友好的な姿勢を取っていることで知られています。日韓請求権問題については、1965年の日韓基本条約と2015年の慰安婦問題日韓合意によって、問題が完全に解決されたという朴槿恵政権の公式見解を踏襲しています。

さらに、親朴新党は日米韓3カ国による軍事同盟の構築を強く主張しています。同党の国際報道官である柳漢賑氏は、ハワイ州で行われたインタビューで、中国の全体主義体制に対抗するために、日米韓同盟が不可欠であると発言しています。この発言は、親朴新党が、地政学的な観点から、日本およびアメリカとの連携を重視していることを示しています。

親朴新党の現状と課題

総選挙での敗北を受け、親朴新党は現在、極めて厳しい状況に置かれています。党勢の回復には、国民からの支持獲得が不可欠です。しかし、韓国社会において「極右」と見なされる親朴新党が、国民の支持を集めるためには、大きなハードルがあると言えるでしょう。

今後、親朴新党がどのように再編され、どのような政治活動を行っていくのか。その動向に注目が集まります。また、親朴新党の主張する日米韓軍事同盟についても、韓国国内における議論が活発化していくと予想されます。国際情勢の変化や国内の政治情勢を踏まえ、親朴新党は新たな戦略を打ち出し、生き残りを懸けて活動していく必要があるでしょう。

まとめ

親朴新党は、朴槿恵元大統領への強い支持を基盤とする韓国の保守政党です。創設から選挙での敗北、そして現状の課題までを辿ることで、その歴史と政治的立場を理解することができます。日本への友好的な姿勢や日米韓同盟への主張など、その対外政策も、韓国の政治状況や国際関係を考える上で重要な要素となります。今後の動向が注目されます。

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