親衛隊伍長

親衛隊伍長（SS-Unterscharführer）

親衛隊伍長（しんえいたいごちょう）は、ナチス・ドイツの親衛隊（SS）における階級の一つであり、SS-Unterscharführerの日本語訳として用いられます。この階級は、文字通りに訳すと「下級分隊長」とも解釈されます。1934年に設置され、それ以前はScharführer（分隊指揮官）が同様の役割を担っていました。

この階級は、親衛隊兵長（SS-Rottenführer）よりも上位に位置し、親衛隊軍曹（SS-Scharführer）よりも下位に位置します。親衛隊の階級制度の中では、比較的中位に位置する階級と言えるでしょう。

親衛隊伍長の役割

親衛隊伍長は、所属する部隊や組織によってさまざまな役割を担っていました。一般的には、分隊や小隊における指揮官の補佐役として、兵士の訓練や日常業務の監督を行っていました。また、戦闘においては、下級兵士を率いて最前線で戦うこともありました。

親衛隊のメンバーは、その出自や思想によって大きく異なる人生を歩みました。その中で、親衛隊伍長の階級は、後の人生において重要な分岐点となった者も少なくありません。

知られている親衛隊伍長

多くの親衛隊員がいましたが、以下にその一部を記します。

アドルフ・アイヒマン: 訓練に耐えられず、SD（親衛隊情報部）に応募しました。その後、ユダヤ人問題に関与し、ホロコーストの実行責任者の一人として知られています。
カスペル・スポルク: 武装親衛隊のオランダ人義勇兵として、ソ連軍戦車を多数撃破する戦果を挙げ、騎士鉄十字章を受章しました。
フランツ・シェーンフーバー: 第33SS武装擲弾兵師団に所属していました。戦後は極右政党「共和党」の党首として活動し、欧州議会議員も務めました。
ハインリヒ・ウンファーハウ: T4作戦（障害者やユダヤ人などの安楽死計画）に関与し、後にベウジェツ強制収容所やソビボル強制収容所の看守を務めました。
エルンスト・ツィールケ: ハインリヒ・ウンファーハウと同様に、T4作戦に関与し、強制収容所の看守を務めました。
ロベルト・ユールス: ハインリヒ・ウンファーハウやエルンスト・ツィールケと同様に、T4作戦に関与しました。
フランツ・ズーホメル: トレブリンカ収容所の看守を務めました。
アドルフ・シュトルムス: 武装親衛隊「第5SS装甲師団」に所属。1945年、オーストリアのドイッチュ・シュッツェン村郊外の森で強制労働を強いられてきたユダヤ人を虐殺した事件及びハルトベルクの「死の行進」に関与しました。

これらの人物は、親衛隊伍長という階級を通して、それぞれの人生を歩みました。彼らの行動は、ナチス・ドイツの歴史と深く結びついており、現代においてもその影響は色濃く残っています。

関連項目

親衛隊 (ナチス)
親衛隊階級
* 伍長

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